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相転移と臨界現象の数理

更新日 2016 年 1 月 26 日

訂正・修正」のページに修正点を追加(ごめんなさい)(2016/1/26)、「補足の解説」のページを公開。付録 B に関する補足があります(2015/6/10)

発行間もない 2015 年 6 月 15 日に重版が決まり驚いていたのですが、さらに 2016 年 1 月にまた重版されることが決まりました。まさかこんな勢いで売れるとは思っていなかったので、二人とも驚いています。買ってくださったみなさん、ありがとうございます。

田崎晴明原 隆による数理物理学の教科書です。 対象をほぼイジング模型に限定し、相関不等式や確率論的・関数解析的な手法を用いた「厳密な結果(rigorous results)」に焦点をあてた本です。 いわゆる「厳密解(exact solution)」には触れていません。

準備にきわめて長い時間を費やしましたが、2015 年 6 月にようやく出版されました。たいへん長い間お待たせいたしました。

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(「はじめに」の全文と目次が公開されています)

本書は,数学,物理学,あるいは,それらの関連分野を学んだ人のための, 具体的なテーマを題材にした数理物理学の教科書である. 統計力学の分野のもっとも魅力的な問題ともいえる相転移と臨界現象を題材に, 物理的なアイディアと数学的な論理が生き生きと相互作用しあって, 物理の難問を数学的に厳密に解決していく様子をお目にかけたい. 幸いなことに,登場する数学の大部分は大学一,二年生レベルの微積分である.

本書では,統計力学の知識を前提にせず,必要な概念にはすべてきちんと定義を 与え(そもそも,定義自体はまったく難しくない), 必要な物理的な背景についても,詳しく説明することを心がけた. 理論物理学に詳しくない数学畑の読者にも,あつかわれている問題の 重要さ・深さ・面白さを理解していただけると思う.

逆に,証明の詳細に深入りしたくない読者は,基本的な結果とアイディアを 学びながら先に読み進められるようにも工夫してある. 統計力学を一通り学んだ上で,相転移の厳密な理論の発展を知ろうという 物理畑の読者にも十分に読みこなせると思う.

様々な背景をもつ読者に, もっとも魅力的な問題の一つを通じての数理物理への良質の入門書と して読んでもらえることを目指した. この目標がどこまで達成されているか,読者のご意見とご提案を待つ.(「はじめに」より)

相転移と臨界現象をめぐる数理物理は,読者の主要な興味や研究分野とは無関係に, それを学ぶことが純粋な知的な喜びになるようなテーマであると信じている. そしてこのテーマをめぐる優れた研究は,物理学と数学という二つの学問の営みは決して切り離してはいけないことを,具体的に力強く示してくれていると思う.

本書を通じて,一人でも多くの読者に,物理学と数学の生きた交流の一つの姿を 楽しんでいただければ,われわれにとって大きな喜びである. (「はじめに」より)

本書へのご質問、コメント、誤りのご指摘等は、専用アドレス
HaraTasaki@gmail.com
までお願いします。二人とも(本人たちの意思とは別に)多忙になってしまったので、すぐにお返事できないかもしれませんが、その点はお許しください。

ページ管理者:田崎晴明
学習院大学理学部物理学教室
田崎晴明ホームページ

hal.tasaki@gakushuin.ac.jp