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高橋 遼 准教授

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略歴

2008年3月 明治学院大学 国際学部 卒業
2010年3月 東京大学大学院 国際協力学専攻 修士課程修了
2013年9月 東京大学大学院 国際協力学専攻 博士課程修了
2013年10月 政策研究大学院大学(GRIPS)・ポスドク研究員
2015年4月 早稲田大学 高等研究所 助教
2017年4月 学習院大学 経済学部 准教授

研究分野

開発経済学、環境経済学、空間情報科学

主要業績

【著書】
高橋遼『開発途上国における森林保全:経済学と空間情報科学の融合した学際的研究』、勁草書房、2016年

【論文】
・“Climate, crime, and suicide: Empirical evidence from Japan”, Climate Change Economics (forthcoming).
・“Determinants of forest degradation under private and common property regimes: The case of Ethiopia” (with K. Otsuka), Land Economics 92(3), 450-467, 2016.
・“The effects of a participatory approach on the adoption of agricultural technology: Focusing on the social network structure in rural Ethiopia” (with Y. Todo and T. Degefa), Studies in Agricultural Economics 117, 50-56, 2015.
・“In search of appropriate institutions for forest management” (with K. Otsuka and R. Pokharel), Journal of Sustainable Forestry 34 (3), 300-314, 2015.
・“The impact of a shade coffee certification program on forest conservation using remote sensing and household data” (with Y. Todo), Environmental Impact Assessment Review 44, 76-81, 2014.
・“The impact of a shade coffee certification program on forest conservation: A case study from a wild coffee forest in Ethiopia” (with Y. Todo), Journal of Environmental Management 130, 48-54, 2013.
・“Impact of community-based forest management on forest protection: Evidence from an aid-funded project in Ethiopia” (with Y. Todo), Environmental Management 50 (3), 396-404, 2012.
・“Impact of farmer field schools on agricultural income and skills: Evidence from an aid-funded project in rural Ethiopia”, (with Y. Todo), Journal of International Development 25 (3), 362-381, 2011.

学外での活動

所属学会:ヨーロッパ環境経済学会、日本経済学会、国際開発学会
その他:開発援助プロジェクトのコンサルタント(JICA、国連FAO)

講義について

 「環境問題」と聞くと、自分とは関係がない、どこか少し遠くの問題と感じていませんか?正直に申しますと、私自身は、そこまで環境問題に熱心な人間ではありません(ゴミの分別もいつも面倒だなぁと思いながらやっています)。しかし、環境問題は私たちの生活や人間性(暴力性)に影響をおよぼす極めて重大な問題なのです。「環境経済学」では、世界的な環境問題に関する主要なトピックを取り上げ、環境経済学の観点からの理解を深めていきます。講義の前半では、環境問題に関心を抱けるよう、ミクロの観点から主要な問題への理解を深めていきます。後半では問題に対するマクロからの取り組みを紹介し、環境問題に関わる世界の動向について把握していきます。

私の研究テーマと演習

 私はこれまで、途上国(主にアフリカ)の農村地域を対象に、貧困問題や環境問題に関する実証研究に取り組んできました。具体的には、新しい技術が地域に導入された際、新技術が果たして本当に貧困削減の効果があるのか、あるいは環境を保全する効果があるのか、技術の影響を評価し、技術がどうすれば普及するのかといった点に注目しています。これまで、ナイジェリアやエチオピア、バングラデシュ、フィリピンなどの国で調査・研究をしています。 また、途上国だけでなく、日本を対象とした研究にも取り組んでいます。途上国における貧困・環境問題を考える上で、先進国に住む一般市民である私たちがこれらの問題にどのように関わることが出来るのか、関わっていくべきかを考えることが重要だと考えているからです。たとえば、フェアトレード認証など環境に配慮されたコーヒーは、サステイナブル・コーヒーと呼ばれています。その一つに、森林保全の推奨を目的とした森林コーヒーと呼ばれるコーヒーも含まれているのですが、欧米では普及している一方、日本であまり有名ではありません。日本で普及を阻害する原因は何か、どうすれば市場を刺激することができるのか、企業と協力しながら研究を行っています(実は森林コーヒーは皆さんの身近なところにあるのですが、それは講義で話します)。

 演習では皆さんの関心を伺いつつ、途上国の貧困・環境問題に焦点を当て、発表と議論を通じて学びを深めていく予定です。具体的には、特定の議題について各自で調べて議論を行う、または自分の関心に関する資料を探し、まとめた上で発表を行うことを想定しています。特定の文献を用いる場合は、輪読はせずに個人でしっかりと読み込むことを前提としますので、知識を得るための負担があることを認識して望んでください。 また、まじめに学問に取り組む学生たちの中で希望者が多かった場合に限り、海外研修を実施します。希望者の関心を考慮した上で、アフリカや東南アジアの国に1週間ほど滞在し、海外援助プロジェクトの現場視察や日系企業の訪問などを行います(面白いアイデアがあれば、国内でも可)。場合によっては、海外フィールドワークも可能です。
 ですので、私の演習は、「将来、海外で仕事がしたい」、「ボランティアや援助に関する仕事に就きたい」、「途上国の貧困問題や環境問題に関心がある」、「開発経済学や環境経済学を学びたい」、「ゼミを通じて自分の能力を高めたい」という想いを持った学生には適していると思います。逆に、「ゼミに望むものは飲み会と就職のコネであって、負担の大きいゼミは勘弁」という学生には合わないと思います。
 最後に、貧困・環境問題に特定の回答はありません。ぜひ、皆さんの意見を聞き、共によりよい社会について考え、学んでいきましょう。

メッセージ

 大学生という期間に、ぜひ世界を旅してみてください。特に開発途上国と呼ばれる国の多くは、近年、急速な経済発展を遂げており、その変化は凄まじいです。私は、アフリカのエチオピアという国(コーヒーで有名です)に頻繁に行きますが、3か月いなかっただけで、街の様子がガラリと変わることが多々あります。途上国で起きているこの大きな変化は、「今」しか見ることはできません。
 インターネットを介して様々な情報を得られる現代ですが、自分の目で見て、鼻で嗅いで、雰囲気を体感しに外に飛び立ちましょう。その経験は将来、きっと皆さんの糧になるでしょう。

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