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教員スタッフ紹介

吉川 眞理 教授 臨床心理学  

<主要著書・論文>
「臨床ハンドテストの実際」(共著)誠信書房
「青年期カウンセリング入門」(共著)川島書店
「臨床心理学―診断と見立て: 心理アセスメント」(共著)培風館






<研究分野>
 臨床心理学は、心理専門職として社会のニーズに応え、臨床心理実践を行う際に、その基礎となる学問です。臨床実践の経験を蓄積し構築された臨床心理学の中に、人として生きること、人とともに生きることにかかわる知が息づいています。私の臨床心理学研究は、心理アセスメントと心理療法の過程に関して探究するものです。心理アセスメントは、それを受ける人の心について何をあきらかにするのか?臨床心理の専門家はそれを、どのようにして、その人のために役立てることができるのか?心理療法家とクライエントの間に、心理療法が成立するとき、その人間関係において何が起こっているのか?いずれも臨床の実際場面における査定や心理療法の経験をもとに、考察を深めてきました。臨床のフィールドは、個人心理療法およびスクールカウンセリングとなります。技法は、カウンセリング、箱庭療法となります。描画法、箱庭作成、夢の報告、あるいは日常の出来事についての対話を通して、クライエントさんの心の世界の動きをじっと感じとる姿勢が中心です。これらの過程の理解において、来談者中心療法、精神分析理論、ユング派心理学、メラニー・クライン理論、ウィニコットの治療理論などを援用しています。近年は若い大学院生をどのようにして心理臨床家として育成していくのかというテーマでも研究に取り組んでいます。

<私の授業>
 心理学専門科目として性格心理学を担当しています。この講義では、パーソナリティ・アセスメントの方法論について、自分自身の心理テスト体験を通して学べるように工夫しています。心理テストは、何を測定しているのでしょうか?心理テストで出てきた結果を、どのように理解すればいいのでしょうか?心理テストの仕組みを科学的に学ぶことで、心理テスト神話にとらわれることなく、心理検査のデータから自分への気づきを深めることをめざします。また、ジェンダーの心理学、多重人格障害、意識と無意識、パーソナリティ形成と対人関係、パーソナリティの変容など、さまざまなトピックを提供して心の多様性と多層性を幅広く扱っていきます。
 臨床心理学ゼミナール(演習Ⅲ)では、少人数であることを生かして、初心者対象のカウンセリング演習を行います。カウンセリングでは日常場面と次元の異なる聴き方をするのですが、実習によって、その一端を体験します。また、小グループでの討論を通して、自分の体験や感情に気づき、それをメンバーの前で表現し、伝達する実習もあります。後期は英文講読演習によって、フロイト、ユング、クライン、ウィニコットの理論の基礎を学びます。これらの授業を通して、自分自身の主体性を確認し、他者のことも自分と同じように主体性ある個人として尊重できる基本的な人権の感覚を培っていただければ幸いです。
 大学院では臨床心理士養成のための臨床心理学コースにおいて、心理査定演習を担当しています。臨床心理士として求められる心理査定能力は、心理療法における見立てにもつながる重要な能力です。また臨床心理基礎実習では、臨床心理教員間のチームワークのもとで事例検討を行い、臨床心理学大学院生の臨床力の育成に力を入れています。
<趣味・特技>
 心理臨床は体力勝負!余暇を見つけてスイミング。泳ぐときはイルカになりきります。冬場には、蓼科温泉と霧が峰のクロスカントリースキーが最高のリフレッシュです。

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