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教員スタッフ紹介

篠ヶ谷 圭太 教授教育心理学

<主要著書・論文>
『予習の科学―「深い理解」につなげる家庭学習―』(図書文化,2022年)
『教育心理学の実践ベース・アプローチ―実践しつつ研究を創出する―』(東京大学出版会,2019年)(分担執筆)
『新・動機づけ研究の最前線』(北大路書房,2019年)(分担執筆)



<研究分野>
 研究分野は教育心理学で,特に学習方略(勉強方法)や動機づけ(やる気)に関する心理学の知見にもとづき,自立した学習者を育てる方法について研究しています。わたしたちは生涯にわたって,仕事や生活に必要なことを自分で学んでいかなければなりません。そのため,学校教育では,単に様々な教科の知識を身につけさせればよいわけではなく,日々の学習を通じて「工夫をしながら学ぶ力」や「自分の学習を深める力」を育てていく必要があると言えます。こうした目的意識から,大学院生時代は,家庭学習の中でも予習に焦点を当てて,実験授業や質問紙調査を行いながら,予習の効果や効果的な予習方法について研究しました。博士号を取得した後は復習にも研究対象を広げ,授業理解を深める予習,授業で学んだことを深める復習について研究を行っています。
 効果的な家庭学習について研究する中で分かったことは,「家庭学習は授業と切り離して論じることができない」ということです。効果的な家庭学習とはそれ単体では成立せず,先生がどのようなやり方で授業をしているかによって,生徒の家庭学習のやり方も,その効果も変わってきます。現在は家庭学習と授業の効果的な連動のさせ方を追究しているわけですが,これは授業での教授法と,家庭での学習法の研究をつなぐ非常に重要なテーマであると考えています。
 また,研究では「実践を通じて研究する」というスタンスを大切にしています。教えてみないと分からないこと,学習者のリアルな反応から新たに気づくことがたくさんありますので,大学院時代も,自分が授業者となって中学生に授業をし,その中でデータを収集,分析して,論文にまとめるということを行っていました。大学教員になってからは,大学での自分の授業実践を論文にまとめることもしていますし,小中高の先生方と一緒に実践を作り,それを研究論文の形で発信することも積極的に行っています。 教育には正しい答えがあるわけではなく,教育実践に携わる人が協力しながら試行錯誤を繰り返していくしかありません。実践を通じて見えてきたことを発信,蓄積していくことで,多くの児童や生徒の明るい未来が開けると信じて,日々研究に取り組んでいます。

<私の授業>
 教育心理学を担当しています。人間の仕組みについて学ぶことは,効果的な教育方法を考える際に非常に重要です。私の教育心理学の授業では,まず,学問としての心理学の歴史や,人間の情報処理の仕組みについて学んだ上で,子どもがいつどのように認知能力や言語能力を身につけていくのかを扱います。また,記憶や学習,動機づけに関する理論やこれまで得られてきている研究知見を学び,それらをもとに効果的な教え方や学び方について考察していきます。授業はパワーポイントを用いた講義形式で行いますが,一方的な知識伝達では退屈してしまいますし,内容を深く理解することができませんので,授業の中では学生のみなさんに考えてもらい,議論してもらう時間も設けます。たとえ学校の先生にならなくても,私たちは親として,上司として,必ず人に教える立場になりますし,生涯にわたって学び続けなければならない点で,私たちは学習者でもあり続けます。自分が人に教える時,学ぶ時に,授業内容がどのように活かせそうかを常に考えながら受講してもらえればと思います。
 私の担当するゼミナールでは,教育心理学の研究論文を輪読していきます。実際に刊行されている様々な研究論文を読み,最新の研究動向に加えて,心理学の研究アプローチや分析方法を学んでもらうことが目的です。また,論文を読む上では,目的に即したデータを集められているか,分析結果を正しく解釈できているか,結論を導く上で論理的な飛躍は見られないかなど,様々な点を批判的に読むことを求めます。研究論文を書く時には,自身の研究を自分でチェックしていかなければなりませんので,他者の研究論文を批判的に読むトレーニングを通じて,説得力のある研究論文を書く力を身につけてもらうことを目的としています。加えて,私のゼミナールでは,プレゼンテーションスキルやディスカッションスキルを高めることも重視しています。社会生活においては,人の考えていることをきちんと理解し,自分の考えていることをわかりやすく伝える力が求められます。そのスキルを身につけることを目指して,授業での発表や議論に臨んでもらいたいと思います。

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