世界各国の中で、日本国憲法とはどのような存在か。
一見して単純そうに見える問いであるが、この答えを導き出すには意外と難しい。
講演者は、ミシガン大学助教で、英語・日本語ともに堪能な学者である。
なお、当日の講演は英語で行った。講演内容は、憲法の規定内容や制定環境、様々な政治体制下での憲法の生存率を示した。
また、日本国憲法が長期にわたり改憲されない要因として、改正要件の厳しさや憲法自体の質の高さを国際比較で客観的に示した。大勢の教授陣が出席し、活発な討論も展開された。
最後に、私見であるが憲法は長命であるべきか時代に合わせるべきかは、今後も日本政治を考える上で1つのポイントであろう。
改憲・護憲議論が行われるにせよ、観念上のものではなく深いレベルまで展開されることが望まれる。