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三井 清 教授

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略歴

1981年 一橋大学経済学部卒業
1987年 同大学院経済学研究科博士課程単位修得退学

研究分野

公共経済学(社会資本整備、地方財政、政策金融など)

主要業績

[著書]
『社会資本の生産性と公的金融』(太田清氏との共編著)日本評論社、1995年

[論文]
Economies of Scope and Shareholding of Banks in Japan,” Journal of the Japanese and International Economies, (with T. Tachibanaki and H. Kitagawa), Vol. 5(3), 1991.
“The Productivity Effect of Social Capital,” (with J. Inoue) Japanese Economy, Vol 25(3), 1997.
「社会資本の地域間・分野別配分」(林正義氏との共著)『社会科学研究(東京大学)』第52巻、第4号、2001年
“Ex ante Free Mobility, Ex post Immobility, and Time Consistency in a Federal System,” (with M. Sato), Journal of Public Economics, Vol. 82(3), 2001.
「社会資本の地方への重点的整備の評価-効率性の観点から-」岩田規久男・宮川努編『「エコノミックス」シリーズ:失われた10年の真因は何か』第6章、東洋経済新報社、2003年
“Sustainability, Debt Management, and Public Debt Policy in Japan,” (with T. Doi and T. Ihori), in Fiscal Policy and Management in East Asia, edited by T. Ito and A. Rose, The University of Chicago Press, Chicago and London, Vol. 16, 2007.
「90年代公共投資政策の評価」 井堀利宏編 『バブル/デフレ期の日本経済と経済政策5:財政政策と社会保障』 第2章、 慶應義塾大学出版会、2009年

学外での活動

日本経済学会、日本財政学会、国際財政学会

メッセージ

経済学はとても面白くて役に立つ学問だと思います。もちろん、最初は基本的なトレーニングが必要ですが、基本的な道具を学んだら現実の経済問題や身の回りの問題に応用してみてください。その切れ味の鋭さを知ることで、経済学を楽しく学ぶことができるはずです。

講義について

私が担当している「公共経済学」と「経済学特殊講義(政策評価)」では、ともに公共部門(あるいは政府)の活動やその役割などについて学びます。「公共経済学」では、道路はどのような基準で整備すべきか、公的年金制度はどのように改革するべきか、所得税や消費税などの課税制度はどのように改革すべきか、といった点について説明します。また、「経済学特殊講義(政策評価)」では、公的プロジェクトが社会的な観点から実施すべきプロジェクトかどうかを評価する方法について検討します。これらの講義を通じて、公共部門の役割に関する理解を深めるとともに、その望ましい姿について考えるための手掛かりを提供できればと考えています。

また講義を通じて、現実の経済問題の本質を捉えその問題を解決するために、経済学が如何に有益な道具であるかをお伝えするとともに、その基本的な考え方をしっかりと体系的に身につけることのお手伝いをしたいと考えています。そのために、講義では次の3つの点を特に大切にしたいと思います。

第1に重視したい点は、実社会での経験が少ない皆さんが感じるであろう経済学との距離を縮めて、経済学に対する興味をもってもらうことです。そのために、身近な家庭生活やクラブなどの学生生活の中に潜んでいる経済学的な問題をできるだけ多く取り上げるようにします。また、 経済学を身近な問題に的確に応用できる能力は、現実の経済問題を経済学的に捉える能力の源になるはずです。皆さんも経済学を応用して身近な問題を理解するとともに、その解決策を考えてみるということを普段からぜひ心掛けてください。そのような基本的なトレーニングの積み重ねが、経済学のより深い理解に到達するために如何に近道であるかということを、将来きっと気づいてもらえると思います。

第2に大切にしたい点は、一方的は講義ではなく「参加(対話)型」の講義をおこなうことです。ノート筆記の時間を節約するために、講義で扱うテーマに関連する経済学的な基本概念の定義などをまとめたプリントを配布する予定です。その節約した時間を用いて、皆さんにとって身近な問題を経済学的に考えるためのヒントを提供しながら質問をすることで、経済学の基本的な考え方に対する理解を深めてもらいます。また、経済学の議論をきちっと理解するためには、数学的な表現方法を用いることもとても有効です。ただし、講義で用いる数学のほとんどは中学レベルの数学ですし、グラフや数式の展開に関しては、簡単な質問で皆さんの理解を確認しながら説明していきますので安心してください。論理的な議論は、一つひとつのステップは簡単なことがらであっても、一つのステップに対する理解が十分でないとその後の議論が大変分かりにくくなるものです。質問はいつでも大歓迎ですので、皆さんも受身で講義を受けるのではなく積極的に講義に参加してください。

第3には、より良い講義にしていくためには、講義方法の小さな「創意工夫」の積み重ねが重要であると考えます。たとえば、ホームページ上に講義に関連する資料や問題の解説などを掲載することで、皆さんの復習などのサポートをする予定ですが、インターネット技術の進歩はより多様な講義支援手段の可能性を開いてくれるはずです。そのような技術革新の成果を積極的に取り入れながら「創意工夫」を積み重ねていくためにも、皆さんからの要望や提案などをぜひ参考にしたいと思います。皆さんからの意見をできる限り講義方法や内容の改善にフィードバックしていきますので、遠慮なく要望などを聞かせてください。

演習について

2年次の第2学期は、公共経済学あるいは財政学に関連する入門書を輪読します。3年次の第1学期は、各ゼミ生が提案する共通テーマのなかから幾つかのテーマに絞り、それらについて調べてきた報告を基にディスカッションをします。3年次の第2学期には、各ゼミ生が研究テーマ選択に関する報告をしてもらいます。4年次の第2学期には、研究成果を報告し、そこで指摘されたコメントなどを参考にして最終的な研究成果であるゼミ・レポートあるいはゼミ論文を提出することになります。

ゼミ・レポートのテーマは財政・金融の分野を中心とした政策的な問題のなかから選択してもらいます。また、その分析方法に対して求められることは、現実の経済問題のなかから検討すべき事象を見つけ、それを実証的に分析することです。既存の議論をよく理解し自分なりに整理することも大変重要ではありますが、自ら問題を発見しその問題に対して自分で解決策を見つけ出していくノウハウとチャレンジ精神こそが、皆さんのこれからの人生にとって最も貴重な財産になると考えるからです。

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