研究科紹介 - 理念と目標/概要

理念と目標

1.教育上の理念、目的

 学習院大学は,司法制度改革の理念に賛同し,2004年法科大学院を設置しました。法科大学院における教育によって我々が目指すものは,何よりも,国民のための司法を担う質の高い法曹の養成です。改めて指摘するまでもなく,我が国の法曹人口は,欧米先進諸国に比して著しく過少であり,とりわけ地方においては,国民は満足な法律サービスを受けられない状態におかれています。社会生活上の医師としての在野法曹を多数育成し,公正かつ合理的な紛争解決を実現して,「法の支配」を社会の隅々まで行き渡らせることが必要です。また,国境を越えた人的・物的交流がますます盛んになりつつある今日,法律問題も市民生活の場から国際ビジネスの現場に至るまで多様な形で生起しています。それぞれの状況に適切に対処するためには,優れた人権感覚,国際的な視野,あるいは高度な専門技術的知識が必要です。これらの能力をバランスよく身につけた法曹が求められていると思います。学習院大学法科大学院では,以上の見地から,社会に貢献しようという高い志と責任感を育み,法曹として必要な資質を磨くことに教育上の力点を置いています。

2.どのような法曹を育成するか

 学習院大学法科大学院では,今日急速に需要が高まっている企業法務の領域で活躍できるビジネス・ロイヤーないしコーポレイト・ロイヤーの養成を重要な目標の一つとしています。我々が用意するカリキュラムの中に,企業金融法,企業法務といった,いわゆるビジネス・ローの諸科目が配置され,企業法務の経験豊かな弁護士の実務家教員による教育体制が整えられているのもそのためです。
 もっとも,このことは他の領域を軽視する趣旨ではありません。たとえば,現代国家において公法上の紛争は増大しつつあり,憲法訴訟や行政訴訟を専門とする法曹の需要も高まっていると思われます。本法科大学院では,このような公法分野に強い法曹を養成することにも力を注いでいます。また,刑事法分野の重要性は,改めて述べるまでもありません。検察官や刑事裁判官,刑事事件を専門とする弁護士を目指す者のために,我々は刑事分野の経験豊かな元裁判官・現役検察官の実務家教員を配置して,実務刑事法教育に万全の体制をしいています。
 さらに,法科大学院の設置は,単に実務法曹を養成するためではなく,憲法の「法の支配」の理念を実質化していくための抜本的な改革であるということに思いを致せば、国民のための司法の担い手になるという強い意欲をもった法曹をこそ養成すべきであると考えられます。その意味では,ビジネス・ローの最前線だけでなく,法律サービスに恵まれない地域の人々のために,縁の下の力持ち的な役割を進んで引き受ける法曹が必要です。本法科大学院は,そのような高い志をもった法曹をできるだけ多く輩出していきたいと願っています。

概要

正式名称 学習院大学 専門職大学院 法務研究科(法科大学院)
課程 専門職学位課程
学位 法務博士(専門職)
開設 2004年4月1日
設置者 学校法人学習院
収容定員 150名
標準修了年限 法学既修者:2年、法学未修者:3年
(参考:標準修業年限修了率

法科大学院在籍者数

1年次 2年次 3年次
在籍者数 9名 20名 14名 43名
社会人経験者(内数) 5名 8名 5名 18名
法学以外出身者(内数) 2名 3名 3名 8名

(平成29年5月1日現在)

3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)

 本法科大学院の掲げる基本理念に基づき設定された諸科目を履修し、所定の年限、単位、平均評点を満たすことが、学位授与の要件となる。法務博士の学位授与に際しては、社会や人間に対する深い洞察力、高度の法的専門知識、柔軟でバランスのとれた法的考察力、卓越した交渉能力、強い責任感及び倫理観を備えていることを、とりわけ重視する。

カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成・実施方針)

 本法科大学院における教育課程においては、法曹としての実務に共通に必要となる法分野についての科目、法曹に必要な実務的な基礎知識及び法曹倫理に関する科目、実定法の理解に寄与する基礎法学及び法学隣接科目、社会の多様なニーズに応えるための応用的・先端的科目をバランスよく設け、双方向型授業の採用、少人数へのクラス分け、厳格な成績評価により、個々の学生が真に深い学識と卓越した能力を培うことを目標とする。

アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)

 本法科大学院は、国民のための司法の担い手となる質の高い優れた法曹を養成することを目的としている。そのために、入学者選抜に際しては、アドミッション・ポリシーとして、法曹資質にかかわる基礎学力、すなわち論理的思考能力、論述能力、既修者については基本的法律知識等を有するかどうかを重視する。また、志望動機が堅固であるか、バランスのとれた考え方ができるか、といった人物面を考慮し、社会に貢献しようという高い志を抱いている有為な人材を選抜することを目指す。