ハイデルベルク大学はドイツにおける日本研究の拠点の一つですが、そこで中心となって御活躍なさっているのがヴォルフガング・ザイフェルト先生です。
先生がこのたび来日なさった機会をとらえ、本学において講演していただきました。
また、講演者の紹介者として、日本におけるドイツ現代思想研究の第一人者である三島憲一先生(ザイフェルト先生とは旧知の仲)がかけつけて下さいました。
講演の内容は次のようなものでした。
すなわち、「自由」という語は、明治時代前期において西洋思想の翻訳のために既存の語彙が転用された一例として、西洋の文脈と日本の文脈との両方を背負っており、単純に西洋の受容とはいえず、また当初は翻訳語として用いられてもその後に近代日本政治の中で独自の意味あいを創造していった面がある、そのような面にもっと注目する必要があるという趣旨でした。
予想した以上に学内外の研究者が大勢集まり、講演をうけて活発な議論が展開されました。
大学院生にもよい刺激になったはずです。