北朝鮮の難民問題について講演していただいた。
ソ連崩壊を大きな要因として北朝鮮の食糧配給制度も影響を受けた。
それまで、社会主義国から農業、工業の面で支援を受けていた北朝鮮は自国での生産構造を確立しておらず、社会主義の崩壊とともに食料供給が不安定化した。
それに伴い難民問題が生じ始めた。日本でも90年代後半頃から北朝鮮難民問題が報道され始める。日中韓、特に中国がどのように対応していくのかに注目すべきとのことであった。
もともと加藤氏はジャーナリストであったが、直接難民問題に取り組むために北朝鮮難民救援基金を設立した。
「中国の常識は日本の非常識である」という言葉が印象的であった。
これは、他国を批判する言葉ではない。
真意は「日本の常識で他の国を理解することはできない」という意味である。
直接、難民の現状を観てきた加藤氏だからこその言葉であると感じた。
北朝鮮難民問題を含め、北東アジアには領土問題、歴史認識問題など様々な危険要素が存在する。
自国の価値観のみで考えるのではなく、他国の体制、価値観を踏まえた対応がそれぞれの国家に求められている。