この度は貴重な講演に参加させて頂き、誠にありがとうございました。
講演のテーマは、文化大革命の先陣を切って開始された、モンゴル人虐殺の過程と、その歴史的背景にあるものは何か、という内容でした。
大野先生のご主張は、虐殺の根底には特に19世紀以降、欧州の主権国家システムの影響を受けた、「民族主義」概念が流れており、その対応における、中国大陸の「困惑」が悲劇を生んでしまったという事でした。
モンゴルは内陸制国家であり、遊牧を生業としていた人々が今も暮らしています。
その環境において、国境に影響を受ける「民族」という概念はあまりにも一方的であり、無理難題であったと思います。
そもそも、西の「自由主義」、東の「共産主義」は民族主義を超えうる普遍的な思想を追求した概念であった筈ですが、結局「民族」という「外と内」という区分を、主権国家が存在している限りにおいて、解決できなかった。
この事実を踏まえた上で、個々を尊重しうる解決策を見出さなければならないと考えます。
EUやASEANが21世紀の解決となり得るか、歴史を踏まえて研究をしてみたいと思います。