村松岐夫先生は、行政学は明らかに政治学の根幹をなすと措定、特定の価値前提が出すぎている研究者状況には距離を置いて、行政組織・様式の実態や政官関係・中央地方関係の動態を観察研究されてきた。
まず、「戦後の行政展開と行政学」という報告の導入として、主に東京大学と京都大学などの行政学関連の研究者の系譜を辿りつつ、各研究者がいかなるテーマに焦点を当てて学問的な貢献をしてきたか、簡潔なスケッチ紹介がなされた。
続いて、戦後行政の主たる課題や担い手の推移と並行して、行政学の学問的アジェンダがこの70年間にいかに展開・変容してきたか、具体的な事例や象徴的語句(最大動員、大部屋主義、課長中心・「局あって省なし」、規制緩和、「事前から事後へ」etc.)を交えて分析的な報告がなされた。
80分報告の後、20分の質疑応答があった。ちなみに、参会者は学部生が3名、大学院生が10名(院卒も含め)、教員5名。