薬師寺氏の報告は、11月8日付政教新聞の創価学会の教義変更の話から始まった。
日蓮正宗の本尊である板曼陀羅への決別を内容とする記事である。
これは昨年末の総選挙と日本政治の将来に何の関係もないようにみえるが、創価学会と公明党、そして現在の安倍政権が自民党と公明党の連立政権であることを考えると、また政治と宗教の関係を考える上でも、決して無関係のことではない。
そしてそこから薬師寺氏は自公連立政権の展望へと話を進め、自公連立政権の特異性、政権内における公明党の「ハト派」としての存在意義を論じ、さらに、今年の日本政治の展望として、最大の課題は経済と外交であることを指摘した。
経済は国際環境における不確実性が増しており、また外交は戦後70年という節目の年であり、いずれも難しい局面が予想されると結んだ。
こうした重要かつ多岐にわたる論点について、薬師寺氏の語り口は軽妙な中にも説得性があり、講演後の質疑も活発に行われ、充実した研究会となった。