学習院大学 東洋文化研究所The Research Institute for Oriental Cultures

研究プロジェクト

一般研究プロジェクト

A07-3 陽明学研究の現在(2007-2008年度)

 

構成員
代表研究員 馬渕昌也
研究員 大澤顯浩 高柳信夫 中田喜万
客員研究員 永冨青地 三澤三知夫 渡邊賢 金泰昊(2008)
(1)研究の目的・意義

陽明学の研究は、戦後、諸般の事情により日本が世界をリードしてきた。特に島田虔次・荒木見悟・岡田武彦氏らの業績によって、その歴史的位相、思想の構造などについて深い考察がなされ、その上に、三氏らの薫陶を受けた世代が更に個別的論点を深めてきた。ところが最近はこうした状況に変化が生じ、大陸中国・台湾などでも盛んに陽明学の研究が行われるようになる一方、日本においては、従来のような研究者共有の問題意識というものが希薄になり、散漫な状況に陥りつつある。こうした現状認識を踏まえ、本プロジェクトでは、日本のこれまでの陽明学をめぐる研究状況を回顧しつつ、その得失及び到達点を確認するとともに、大陸・台湾における研究の方向性を整理し、今後の日本の陽明学研究の目指すべき方向性を策定する試みを行いたい。

(2)研究内容・方法

まず、これまでの日本における研究状況を把握するために、研究員各自がそれぞれの守備範囲において、従来の研究状況をリサーチし、総括する。そして、それをプロジェクト全体の共有認識とするために、輪番で発表し、討議を行う。同時に、中国・台湾、或いは欧米における研究状況についても、研究員各自でサーベイを行い、その特長についての発表・討議を同様の形態で行う。こうした作業を通じて、日本の研究の特徴を把握し、今後の進むべき方向を見いだすことをめざす。また、時に内外の専門家を招聘、講演を依頼する形で、更に上記のテーマについての認識を深める。

(3)研究の成果

馬淵昌也『東アジアの陽明学』(東方書店、2011年)