一般研究プロジェクト
近世文化における中国の受容(1983-1984年度)
構成員 | |
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代表研究員 | 諏訪春雄 |
研究員 | 高田淳 坂本孝治郎 坂本多加雄 |
客員研究員 | 国領不二男 坪内正紀 勝田敏勝 三羽邦美 服部仁 |
(1)研究の目的・計画
明治以前の日本文化は、素材・発想・表現・精神の各方面において、中国文化から刺激を受け続けてきたが、近世に入って中国から輸入される書籍の種類・数量は飛躍的に増大し、急速な発達をとげた出版業を通じて、それらの翻刻や、日本人の手になる注釈・研究・翻訳が広く普及した。一方、国法によって中国への渡航は厳禁され、中国人の来航も制約が大きかった。豊かになった知識は中国への憧憬を高めるが、中国を具体的に体験することは許されない。かくて近世人の思索の中で、中国文化は変容せざるをえなかった。
我々は、近世文化における中国の受容と変容の実態を把握し、近世文化の独自性を明らかにしたい。
具体的には、江戸時代における唐船特渡書に関するもの、近世人の随筆中に表された中国人像、『水滸伝』に基づいて作られた読本、当時の漢学の実態、草双紙に見られる中国の服飾等々について、従来の研究水準を確認しつつ、総体的な資料から捉え直してゆきたい。また常に広く学内・学外の専門家を招き、視点の深化につとめる予定である。