学習院大学 東洋文化研究所The Research Institute for Oriental Cultures

研究プロジェクト

一般研究プロジェクト

漢民族をとりまく地域の諸文化要素の比較研究—西南中国を主軸に(1985-1986年度)

 

構成員
代表研究員 諏訪哲郎
研究員 小倉芳彦 新川哲雄 吉田敦彦
客員研究員 糸永正之 鈴木正崇 生明慶二 王宣
(1)研究の目的・計画

本研究プロジェクトは、漢民族をとりまく地域(環漢民族地域)の文化的諸要素の比較研究を目的とする。環漢民族地域には、中国の東南部、西南部、西北部、東北部の50を数える少数民族地域のほか、その周囲のインドシナやチベット・ヒマラヤ地方、それに朝鮮や日本が含まれる。各地域・地方とも程度の差はあれ、漢民族文化の影響を永く受容してきた。しかし、各々の自然環境の相違に加えて、住民の生業形態の相違、さらには地域相互間の交流によって様々な地域的、地方的特色を現している。本プロジェクトでは、サブタイトルに示したように、比較対象の中心を中国西南部に置き、他の環漢民族地域とを比較することによって、この諸地域の文化の普遍性と地域的特色とを明らかにし、また漢民族が周辺諸地域に及ぼした文化的影響の実相に迫ることを目的としている。研究構成員はそれぞれ中国西南部の歴史・文化に極めて強い関心を抱いており、"日本文化のルーツ"等の常套句で間欠的にマスコミの話題になりながらも着実な研究が比較的に少ないこの地域を研究対象とするだけに、堅実な成果が期待できると思う。
本プロジェクトは2ヶ年の研究計画をもっており、昭和60年度では、各構成員による調査・研究資料の収集と月例の研究会における討論が活動の中心となろう。ただ、研究費の関係で現地調査はとても望めないが、外部の研究者や来日中の外国人研究者等と交流し、共同の研究会を開き、討論を重ねることによって研究目的を果たしたい。尚、第2年度の後半は、研究報告書の作成の準備が主となろう。

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