学習院大学 東洋文化研究所The Research Institute for Oriental Cultures

研究プロジェクト

一般研究プロジェクト

アジア宗教儀礼の比較研究(1987-1988年度)

 

構成員
代表研究員 吉田敦彦
研究員 坂本孝治郎 諏訪春雄 新川哲雄 諏訪哲郎
客員研究員 関根康正 徳田和夫 林田史子 生明慶二
(1)研究の目的・意義

日本には、“宗教の博物館”と評されるほど多くの宗教が存在し、大半の日本人が特定の信仰は持っていないが宗教心は必要であると考えている。このことは日本において宗教が自覚された信仰のレベルよりも習俗的・感覚的なレベルで機能していることを示す。
日本人の宗教が海外諸民族ことにアジア諸民族の宗教の重層的な受容のもとに形成されてきたことは、周知の通りである。本プロジェクトは、アジア諸民族の各種宗教儀礼の比較研究を通して、日本人の生活と文化の様式の根源を明らかにしようと意図している。
我々は、既成果を参照、摂取して、総合的な視野のもとに日本文化の本質を明らかにしようとするものであり、学内外に与える影響も小さくないと自負している。

(2)研究内容・方法

習俗的・感覚的なレベルに拡散、浸透している日本人の宗教心は、自覚的な信仰という形をとっている。本プロジェクトは、宗教儀礼という具体的な形式に注目し、しかも、アジア諸民族との比較という方法によって、日本人の宗教心と生活・文化との係りを、形あるものとして捉えようと考えた。もちろん、性急な結論を求めず、日本の習俗に短絡することを避け、まず、実証的にアジア諸地域の各宗教儀礼の究明に努める。
具体的には、多方面に体験者・有識者を求めて、その意見を聞き、可能な限り広く関係の資料を集めて検討を施して、目的を達成しようと考える。さしあたっては、日本の古代祭祀や民族宗教に顕著に見られるシャーマニズムに焦点を当て、アジア諸地域のそれとの交渉の過程が中心の研究課題となる。

(3)研究の成果

田仲一成・諏訪春雄・吉田敦彦・生明慶二・林田史子・新川哲雄・徳田和夫『アジア宗教儀礼の比較研究(調査研究報告No.31)』(学習院大学東洋文化研究所、1990年3月)

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