学習院大学 東洋文化研究所The Research Institute for Oriental Cultures

研究プロジェクト

一般研究プロジェクト

アジア・太平洋地域における社会経済開発政策と国際関係(1988-1989年度)

 

構成員
代表研究員 川嶋辰彦
研究員 森田道也 飯坂良明 本橋正
客員研究員 萩原宜之 岩崎育夫 R.Rickards 李廷江 田村愛理
(1)研究の目的・意義

本研究の目的は、アジア・太平洋地域諸国における社会経済開発政策の実態と、これと密接に関連して展開される諸国間の政治外交政策の両面から、同地域諸国の地域共同体への可能性を探ろうとすることにある。従来地域共同体構想に関しては、その経済的共同性(欧州共同体)または政治的共同性(ASEAN)のどちらか一方のみが強調され、両者の関連性および補完性の必然については触れられることが少なかった。しかるに経済的共同性は政治外交的協力がなくては実現しえず、また政治的共同性は経済的利害が一致しなければ成りたちえないのである。
本研究は、このような認識に基づき、従来の地域共同体研究の短所を補う目的で経済学・政治学・地域研究学の諸部門の研究者により、現在共同体としての可能性が語られている環太平洋地域の実像を特に日本とアメリカ合衆国およびNICSやASEAN諸国の経済・外交政策の相互関連において組み立ててみようとする試みである。また、その際今までの環太平洋共同体構想では取り上げられてこなかった、地域開発政策と援助の関連性、ならびに、外交政策と軍事の関連性を重要なポイントとして取り上げる。
以上の視点を持った本研究は、環太平洋地域共同体研究への新しい観点を示すものとなろう。

(2)研究内容・方法

(イ)地域開発政策、技術開発政策および都市政策の統合化傾向の実態の考察。
(ロ)社会経済開発政策の目標と、地域行財政組織形態の特性との間に見られる適合性と非適合性の考察。
(ハ)上記(イ)および(ロ)の考察結果に基づき、地域開発政策・環境保全政策の立案に資するポリシー・インプリケーションを探る。
(ニ)さらにアジア・太平洋地域諸国の軍事をめぐる外交政策を考察し、将来の太平洋共同体構造への可能性を探る。

(3)研究の成果

川嶋辰彦・岩崎育夫・李廷江・杜進『アジア・太平洋地域における社会経済開発政策と国際関係(調査研究報告No.32)』(学習院大学東洋文化研究所、1992年9月)

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