学習院大学 東洋文化研究所The Research Institute for Oriental Cultures

研究プロジェクト

一般研究プロジェクト

日本語・朝鮮語・モンゴル語・タミル語の比較文法の研究(1988-1989年度)

 

構成員
代表研究員 大野晋
研究員 下宮忠雄
客員研究員 M.Sanmugadas 菅野裕臣 小沢重男 松原孝俊
(1)研究の目的・意義

日本語の系統論は明治時代以来の学界の宿題であるにかかわらず、未だ明確な結論に達していない。その主たる原因は、(イ)日本語の古代語の研究の視野が狭いこと。(ロ)近隣諸外国語との比較研究が不十分であることにある。ことに近隣の膠着語との文法的な比較が必要であるにかかわらず、日本語学者は日本語の中に閉じこもり、又近隣諸国言語の研究者は日本の古語に通暁していない。
本プロジェクトは、日本語・朝鮮語・モンゴル語・タミル語の古語に通じる研究者が会合し、協力することによって、これらの諸言語の構造上の問題及び文法語彙(morphemes)を相互につき合わせ、膠着語としてのそれぞれの言語の親縁性及び親族関係について、今日の最新知識を交換し、日本語を中心とする比較文典を作成しようとするものである。

(2)研究内容・方法

日本語の古典語の文法を基軸として、下記の諸問題に対応する朝鮮語・モンゴル語・タミル語の文法的事実を集大成し、膠着語の特性を明らかにし、比較文法論を樹立しようとする。
(イ)名詞をめぐる諸問題:格及び人称の問題
(ロ)助詞をめぐる諸問題:テンス・アスペクト、使役・受身の問題
(ハ)副詞・形容詞をめぐる問題:格関係の問題
(ニ)助詞・助動詞・Suffixの諸問題

(3)研究の成果

菅野裕臣『動詞アスペクトについて(II)(調査研究報告No.35)』(学習院大学東洋文化研究所、1992年3月)

ページの先頭へ