学習院大学 東洋文化研究所The Research Institute for Oriental Cultures

研究プロジェクト

一般研究プロジェクト

中国における科学・技術教育の現状に関する調査研究(1988-1989年度)

 

構成員
代表研究員 小川智哉
研究員 赤尾和男
客員研究員 坂部知平 伊藤遊香里子
(1)研究の目的・意義

中国が兵器輸出国の一つであることはよく知られているが、最近では、人工衛星の打上げ業務の委託も始めた。又、1987年には、世界の注目を集めた高温超電導体を、アメリカならびに日本と期を同じくして北京で発表した。これらの事実を、人工衛星の打上げすら独自の完成した技術にしたとは言い切れない我が国の現状と比較すると、非常な驚異である。しかし、訪問した研究所などにこのような超一流の現代科学・技術の片鱗を感ずることは至難の業である。だが、中国は着実に超一流の化学と技術を育てているのであろう。
本研究の目的は、中国の大衆教育とエリート教育、特に研究者養成の現状を明らかにすることにある。

(2)研究内容・方法

現在我々が当面している日米経済摩擦の一端に、「アメリカでの常識は世界の常識」として我々に押しつけてきたと思える節もあるが、日本のアジアに対する態度でも「日本での常識」を相手国に押しつけているように思える場合がある。これは共に相手国の事情を知らない為に、心ならず起っている現象ではなかろうか。この研究の源流には、大学に職を奉ずる者の一人として、中国における教育の現状を知りたいという考えもあるのだが、このような一般論的な問題は専門家に任せることとし、中国の科学者・技術者の養成に焦点を合わせて調査・研究を行う。

(3)研究の成果

小川智哉・坂部知平・伊藤遊香里子・水谷亜樹子『中国における科学・技術教育の現状(調査研究報告No.36)』(学習院大学東洋文化研究所、1992年11月)

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