学習院大学 東洋文化研究所The Research Institute for Oriental Cultures

研究プロジェクト

一般研究プロジェクト

変わりゆくアジア・太平洋地域(1990-1991年度)

 

構成員
代表研究員 渡部福太郎
研究員 諏訪哲郎 川嶋辰彦 森田道也 井上寿一 杜進
客員研究員 田村愛理 岩崎育夫 李廷江 天児慧 李御寧 R.Richards W.Stöh
(1)研究の目的・意義

本研究計画は、現在進行中の「アジア・太平洋地域における社会経済開発政策と国際関係」プロジェクトの研究成果を踏まえ、さらに研究分野を広げ、研究内容を充実させようとするものである。現プロジェクトはアジア・太平洋地域諸国の社会経済開発政策、及びそれぞれの国々の政治外交政策の両面から同地域諸国の地域共同体への可能性を探ってきたが、新プロジェクトにおいては、上記の研究視点を継承するとともに、更に同地域における諸国間の相互依存関係を解明し、それを基礎に同地域内諸国の政策協調のあり方を探ることを目的とする。
本研究は、現在共同体としての可能性が語られているアジア・太平洋地域の実像を特に日本とNIEsやASEAN諸国の経済、外交・民族政策の相互関連において組みたててみようとする試みである。また、その際今までのアジア・太平洋構想では取り上げられてこなかった、地域開発政策と援助の関連性、ならびに、外交政策と民族政策の関連性を重要なポイントとして取り上げる。
以上の視点を持った本研究は、アジア・太平洋地域共同体研究への新しい視点を示すものとなろう。

(2)研究内容・方法

本研究の考察対象地域は、具体的には日本、NIEs諸国、ASEAN諸国及び中国、ベトナム等のアジア社会主義諸国にわたり、各地域の政治・経済・地域研究を専門とする研究者が、次のような諸研究課題を積極的に取り組む予定である。
1)社会経済開発政策の目標と、地域行財政組織形態との特性との間にみられる適合性と不適合性。地域開発政策・環境保全政策の立案に資するポリシー・インプリケーション。
2)関係諸国の経済発展における政府の役割、貿易政策、国際間の産業構造調整等の問題。
3)国際関係のあり方に大きな影響を及ぼす多国籍企業の行動、及びその対策。
4)政府間の経済協力(ODA)の実態とその問題点、及び新しい国際協力の方向性。
5)産業構造、技術構造の変化に対応する新タイプの人材育成、及び「人的資本」の国際的移動に伴う諸問題。
6)アジア・太平洋地域諸国の外交政策と民族政策との関連性。

(3)研究の成果

渡部福太郎・裵成東・岩崎育夫・朱建栄・天児慧『アジア太平洋地域の経済・政治の変貌(調査研究報告No.38)』(学習院大学東洋文化研究所、1993年3月)

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