学習院大学 東洋文化研究所The Research Institute for Oriental Cultures

研究プロジェクト

一般研究プロジェクト

アジアの宗教にみる神(1991-1992年度)

 

構成員
代表研究員 新川哲雄(1991) 諏訪春雄(1992)
研究員 佐々木隆 武内房司 吉田敦彦 諏訪春雄(1991) 新川哲雄(1992)
客員研究員 黄強 関根康正 葉漢鰲 A.Sanmugadas M.Sanmugadas 曽紅(1992)
(1)研究の目的・意義

日本の文化とアジアの文化との関わりについて考える時、宗教が検討すべき最も重要な領域であることは、あらためて論ずるまでもなかろう。日本人の宗教が、アジア諸民族の宗教との深い関わりのもとで形成されてきたことについても、これまでに多くのすぐれた研究がなされてきているし、現在も強い関心のもとに活発な研究が行われている。
本プロジェクトは、それら最近の諸研究の成果をふまえながら、日本人の宗教とアジア諸民族の宗教との比較研究を通じて、アジアの宗教なかでも日本の宗教にみる神について、そのとらえがたい姿をできるだけ鮮明にしようとするものである。
宗教について検討をする時、祀られている神について知ることは、その神を祀っている人について知ることに他ならない。神と人との関わりが、現世における人と人の関わりをさし示すとすれば、それは社会を考える手掛りとなる。アジア諸民族の宗教にみる神を明らかにすることは、日本人・アジアの諸民族を知るうえで不可欠のことである。

(2)研究内容・方法

従来の諸研究において、まだ十分に明らかにされているとは言いがたい、祀られている神の姿を鮮明にするためには、宗教学、神話学、歴史学、文化人類学、民俗学、文学、芸能史、思想史など諸領域の研究成果の総合が望まれることである。また、文研研究のみにとどまらず、フィールドワークの報告をもふまえながら、多面的な研究が必要となろう。
そこで本プロジェクトでは、アジア諸民族の宗教にみる神の姿をより鮮明なものにするために、祀っている人の内なる神の観念を直接検討の対象とすることよりも、諸民族が実際に行っている祭儀という具体的な実例を研究対象としてすえ、宗教儀礼の比較研究、神話研究、祭儀にみられる芸能の比較研究、そして教儀研究を柱として、構成員それぞれの専門領域での研究を総合することを意図している。
さらに、内外の専門研究者を招いて、その研究成果の報告を聞き、また、プロジェクトとしても独自にフィールドワークを実施するなどして、より広範な面から、神の姿をうきあがらせようと考えている。

(3)研究の成果

佐佐木隆・新川哲雄・葉漢鰲・諏訪春雄・黄強・曾紅・武内房司・吉田敦彦・M. Sanmugadas『アジアの宗教にみる神 (調査研究報告No.41)』(学習院大学東洋文化研究所、1994年6月)

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