学習院大学 東洋文化研究所The Research Institute for Oriental Cultures

研究プロジェクト

一般研究プロジェクト

日米関係を軸にみた東・東南アジアの政治と経済(1993-1994年度)

 

構成員
代表研究員 渡部福太郎
研究員 本橋正 井上寿一 中村厚史
客員研究員 天児慧 田村愛理 岩崎育夫 杜進
(1)研究の目的・意義

日本、韓国、北朝鮮、中国、香港、台湾を包含する東アジアとフィリピン、タイ、マレーシア、インドシナ半島三国、インドネシア、シンガポール、ブルネイを包含する東南アジアの二つの領域は一括して西太平洋地域ともよばれるが、この地域は世界経済における成長地域となっており、群をぬいた経済発展をとげつつある。しかし、この地域は宗教的にも政治的にも経済的にも多様な構成となっているばかりでなく、それぞれの国・地域の政治・経済はあい異なった体制・制度のもとにある。
他方、この地域はアメリカおよび日本とのかかわり合いが強く、そのかかわり合いのあり方は長期的にも短期的にも大きく変化し、その関係は深化してきた。アメリカと日本は経済的には世界の上位二国であり、しかも両国間には摩擦と対立が多様な領域に生起しており、政治的にゆゆしい段階にまできれいる。
こうした摩擦と対立の進行いかんは、東・東南アジアの諸国と日米両国とのかかわり合いに大きく影響するばかりでなく、それら諸国の政治・経済がそれによって影響される。ここでの目的はこの日米関係を軸にみた東・東南アジアの政治経済を分析し、その影響がいかなる形であらわれるかを明らかにすることである。それはこれからの西太平洋アジアの動きを見る上できわめて意義あるものと思われる。

(2)研究内容・方法

(1)東・東南アジアの諸国・地域の政治経済の動きについての資料を日米関係とのかかわり合いの視点から収集し分析する。
(2)日米関係を政治・経済に焦点をおいて、歴史的にまた現状分析的に考察する。そのための資料の収集と解析をおこなう。
(3)東・東南アジアとアメリカと日本の三つの領域の間の相互依存関係の推移、相互の利害の一致・対立の推移を歴史的領域を視野に含めながら分析する。
(4)以上の分析・考察を総括しながら、日米関係における摩擦と対立の、東・東南アジア諸国にあたえる影響を政治・経済を中心に分析する。
(5)これら地域における宗教の多様性がかかわりをもつ領域についてはその点も分析する。

(3)研究の成果

渡部福太郎・本橋正・井上寿一・天児慧・岩崎育夫・杜進・田村愛理『日米関係を軸にみた東・東南アジアの政治と経済(調査研究報告No.45)』(学習院大学東洋文化研究所、1996年6月)

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