学習院大学法学部 | 法学科|政治学科学習院大学法学部 | 法学科|政治学科

法学部についてFACULTY OF LAW

新たな伝統の創造に向けて法学部で何が学べるか

岡 孝

法学部長
岡 孝
Takashi Oka

人の集まるところ、意見の相違や紛争がつきものです。その場合、自分が紛争当事者のどちら側からも中立であれば、公平な態度で両当事者の主張をじっくり聞くことによりほとんど解決案は見つかるものです。あとはどう説得していくかの工夫が必要です。世間はよく「法学部卒はツブシがきく」などといいます。法学部出身者ならば、説得力のある妥当な解決案を出してくれるのではないか、もめごとの解決の方向性を示してくれるのではないかという期待のあらわれです。若ければ若いほどしがらみがなく、双方の立場を必要以上に忖度せずに、純粋にもめごとの解決案を提示できると思うのです。
私の専門は民法なので、これを中心に話しましょう。大げさに言いますと、民法は解決案を正当化する根拠の1つなのです。民法の規定の多くは、予期される紛争の解決の指針を示した常識的な内容になっています。また、民事訴訟法を学ぶことによって公平な紛争解決の手続きとはどういうことなのかがわかるでしょう。すべての法律の上に憲法があります。基本的人権の尊重が前提になって民法、労働法、刑事訴訟法などの法律がつくられているのです。
さて、視点を国外に向けますと、やはり多くの対立があります。新大統領が就任したばかりのアメリカ、イギリスが離脱したEU、さらにアジア等の国々にも、政治的な対立や紛争はつきません。この対立は何によって調整するのか、人々の考えや利害が一致しないとき、どのように合意を形成し、一定のルールを作ればいいのでしょうか。それを考えるのが政治学です。
身近な組織や町村レベルから始まって、国際社会まで、問題点を見極める視点や、もめごとを調整し、人を説得する技術を学ぶ学問という言い方ができるかもしれません。わが法学部には大教室では味わえない少人数授業も数多くあります。これらは教師と1対1での対話が可能な中でこそ、養われる力なのです。