何をどう学ぶのか


 マンガやアニメの学科を設ける大学はかなりありますが、多くは実作者を育てることが目的です。
 いっぽう、本専攻は、産業のための人材養成ではなく、現代芸術の最先端をゆくマンガ・アニメーションを本格的な学問領域に高め、その創造力の秘密を解明していきます。

 本専攻の夏目房之介教授は、独力でマンガ表現論を切り開いた先駆者です。夏目教授が率いるマンガ・アニメ研究は、本専攻の演劇、映画、表象文化論とならぶ大きな柱です。

 視覚優位の現代文化において、身体の表象(イメージ化) やパフォーミング・アーツ(舞合芸術)はきわめて重要な役割をはたしています。 それらを大きな文化的枠組みのなかで研究することは、現代世界の理解になくてはならない学問領域なのです。本専攻はそうした表象文化論の基礎を学生に提供し、さらに専門研究に進んでもらいます。

 アニメーションは映画の一部門であり、その研究には映画史や映画理論の知識が必要です。本専攻は中条省平教授を中心に、映画論の講義も充実し、また、マンガ編集者であり、マンガ・アニメ評論で活躍する佐々木果(ササキバラゴウ)講師の演習もあり、アニメーションをマンガや映画などイメージ文化一般との連関の上で広く深く学べます。

 マンガ・アニメ、映画や演劇・ジェンダー研究に興味のある学生が、各々のジャンルの深さに新たな感動を味わい、芸術と学問のより高度な段階に上がれることを約束します。

研究テーマ(論文タイトル)

博士論文

  • 空間創造と位相の身体――オスカー・シュレンマーの舞台芸術理論
  • マンガ版『風の谷のナウシカ』における生成論的研究――コミックス成立時における改稿から見た作品分析
  • 日本のマンガ・アニメにおける「戦い」の表象
  • 映画における屠畜・食肉の表象――フランスとアメリカの作品の検討を中心に
  • 19世紀西洋演劇におけるジャポニズム――「日本」の表象の変遷
  • 近代視覚文化としてのマンガ――その文化史的位置づけと美学的意義について

修士論文

2020年度
  • 「24年組」中心史観と少女マンガ言説の再検討
  • 大島弓子の家族論
2019年度
  • 真崎守論
  • 中国のウェブマンガにおける日本の「萌え」の受容ーー女性キャラクターを中心に
  • 視覚化する二次創作とキャラクター受容ーー中国ネット小説の女性向け二次創作と「応援」から考える
  • アッバス・キアロスタミ研究
  • 2.5次元舞台の特異性ーー『刀剣乱舞』の受容と表象
2018年度
  • アントナン・アルトーの方法意識
  • 大島渚の戦後映画論――松竹時代から創造社時代にかけての映画運動の観点から
  • 戦前日本における記録映画の諸相
  • BLマンガ・中村春菊『純情ロマンチカ』中国版の中国女性オタク受容の傾向
  • 矢沢あい『NANA』 のファッション描写にみられる女性像
  • 現代日本における女性の髪の表象――『髪の喪失』に注目して
2017年度
  • ジャン・ルーシュ論――民族誌映画の変遷
  • 日本における「声優」の歴史と役割の検討――映画史の視点から
  • 百合ジャンルの研究――表現とその解釈
  • 現代日本社会における覇権的男性性の変容――男性誌における表象分析から
2016年度
  • 黒澤明研究
  • ホラー映画論――その「演劇体験」の実態
  • 溝口健二作品研究
  • 諸星大二郎論
  • 「人形的」な黒髪の表象――「J-ホラー」に着目して
2015年度
  • バレエ研究――『白鳥の湖』の演出の多様性
  • 劇画的絵柄の誕生――貸本漫画における絵柄の転換期
  • マンガ、アニメにおけるループ物語の表象――2000年代以降の作品を巡って
  • 漫画における時制表現
  • マンガの中国語訳から見る「音隠(オノマトペ)」の受容――『らんま1/2』を中心として
  • 「わいせつ」と芸術
2014年度
  • ポール・クローデル研究――その劇作における日本の伝統演劇の受容と展開
  • 映像と言語を巡る表象――実験映像における「言語・言葉」の表現・効果
  • ジャック・タチの作品における表現の研究
  • 格闘技漫画における運動の表現
  • 三流劇画ムーブメントという時代
  • 異文化コミュニケーションとしての中日の「二次創作」−―「擬人化」モードの共有と浸透
2013年度
  • ジンガロにおける馬の演劇――パフォーマンスとしての「テアトル・エケストル」を考察する
  • 宝塚歌劇団の男役におけるジェンダー表象
  • 松尾スズキにおける「ズレ」る言語と身体
  • 鹿鳴館研究――舞踏練習団体「舞楽会」の実態
  • 「腐女子」の自称――「少女」による自己への対峙と内面の表現に至るまでの系譜
  • 眼差されるフリークス―攪乱される「正常」と「異常」
2012年度
  • 喜歌劇『ミカド』の誕生――19世紀末舞台作品のジャポニズムの源泉をたどる
  • アルフレッド・ヒッチコック研究
  • 「少年向け」マンガ・アニメ作品における女性受容層の成立過程――1970年代長浜忠夫監督作品の女性による「越境的受容」行動を中心に
  • コミュニケーション・メディアとしてのヴァーチャル・キャラクター
2011年度
  • エミール・ゾラの演劇理論――演劇における近代性のアプローチ
  • シェイクスピア喜劇における異性装――『ヴェローナの二紳士』と『十二夜』を中心に
  • 「瓢箪鯰」をめぐって――絵画・歌舞伎舞踊・日本舞踊
  • デイヴィッド・リンチ研究
  • 杉浦茂論――作家像の形成について
  • 少女マンガにおける「花」の表現
  • 「他者」を演じる――〈コスプレ〉の可能性
2010年度
  • ジャック・ドゥミ研究――フィルム・アンシャンテ:「歌われた映画」「魅せられた映画」
  • ヌーヴェル・ヴァーグ再考――俳優の問題をめぐって
  • オーソン・ウェルズ研究――映画と近代の経験
  • 表象されるジャンヌ・ダルク――〈性〉の表象についての考察
  • 現代マンガ演出効果試論
  • マンガと映画の比較メディア論――コマと時間の理論をめぐって
  • Queer Familyと親密圏の変容
2009年度
  • ベルナール=マリ・コルテス研究―『プロローグ』をめぐって
  • Louis Malleの作品とその世界



専攻紹介





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目白1-5-1北2号館6階631室 
学習院大学 人文科学研究科
身体表象文化学専攻
Tel:03-5992-1404


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