教育理念

集い 出会い 研き合い

「ひろい視野」「たくましい創造力」「ゆたかな感受性」を備えるために
学習院は歴史ある学校で、弘化4年(1847年)、京都に開かれました。明治10年(1877年)、東京・神田錦町に改めて開設され、150年近くの歳月を経て社会のリーダーを輩出して来ました。今日、学習院は幼稚園から大学院までの学齢に応じ、その時期に身に付けるべき素養と社会に貢献する多様な個性を、一貫した理念に基づいて育んでいます。その理念は、「ひろい視野 たくましい創造力 ゆたかな感受性」という3つの言葉に集約され、学習院の教育を表現するものとして関係者の間で折に触れ語られています。

学習院中等科・高等科 科長 髙城彰吾学習院中等科・高等科 科長 髙城彰吾

中等科・高等科は人格の幹を作る大切な時期を担っています。毎日の生活の中、勉強はもちろん部活動・委員会活動などを通して、多くのことを学ぶことになります。大勢の仲間が集う場で、同年代であっても一人ひとりが異なる考え方を持っていることに気づくでしょう。皆さんは自分と異なる人たちの存在に気づき、それまで持ちえなかった知識に触れることで「ひろい視野」の大切さを知ることになると思います。そして友人や先輩・後輩、先生との交流などを通して、皆さんは強い刺激を受けることでしょう。新たな知識に対して、はじめは自分なりの考えに基づいて受け容れようとするものですが、やがてそれまでの自分では感じ取ることのできなかった見方や考え方に気づく時が来ます。新しい出会いから得られるさまざまな知識と経験を受け容れるなかで「ゆたかな感受性」が育まれていくのです。さらに、このようにして自分のものとした知識・考え方を基にして、ここに集い出会った個性豊かな仲間たちと共に「たくましい創造力」をもって、それまでなかった新しい主張を創り出してゆくことが望まれています。他者と出会い自分と向き合う機会を重ねて、自分とは何者なのかを深く考え個性を研き合うなかで、将来につながる何かにきっと出会うことでしょう。中等科・高等科で学んだものを糧として、その後はより専門的な知識・技能を身に付け、さらには社会の各方面に進んで、大いに活躍して欲しいと思います。

近年のコロナ禍で、本校でも時期によっては休校となったり授業がリモートで行われるなど、生徒が登校できない期間がありました。その状況は、主役のいない舞台のごとく寂しいものであったことは言うまでもありません。この経験によって私たちは、なにげなく感じていた対面でのコミュニケーションの大切さについて、改めて考えさせられています。仮に一時的に対面活動が制限されたとしても、学校は生徒が集い、出会い、研き合う場であることに変わりありません。厳しい状況の中でも工夫を積み重ね、多くを学び合い、共に3つの言葉を実践して行こうではありませんか。

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