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島田 誠教授 |
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■略歴1955年10月2日生まれ1974年 岡山県立岡山朝日高等学校卒業 1980年 東京大学文学部西洋史学科卒業 1988年 東京大学大学院人文科学研究科西洋史学専攻博士課程単位取得退学 1990年 東洋大学文学部講師 1996年 同 助教授 1998年 学習院大学文学部史学科教授 |
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■研究テーマ・分野研究分野は西洋古代史、特に古代ローマの歴史です。その古代ローマ史の中でも共和政末期から帝政中期まで、おおよそ紀元前2世紀後半から紀元後2世紀までの時代を中心に研究しています。共和政と帝政という政治体制の異なった2つの時代に関心を持ったのは、大学の卒業論文に共和政末期の内乱を勝ち抜いて帝政を樹立したアウグストゥスを取り上げたことがきっかけでした。その後、共和政末期の政治家・雄弁家であるキケローの著作や書簡、さらにプリーニウスやペトロニウスなど「白銀時代」(紀元後14年のアウグストゥスの死から180年頃まで時代)のラテン語作品を読んで、共和政期や帝政中期に関心を拡げました。また、この時代の石や金属に刻んだ文章(金石文)や木の板(書写板)に書かれた記述から分かる当時の人々の生活にも興味を持ち、この時代のローマ人の家族のあり方なども考えています。しかし、最近は再びアウグストゥスやその後継者たち時代の政治構造など、帝政成立期への関心が強まっています。四半世紀余りの時間を経て、卒業論文を書いていた頃の原点に戻ったというところでしょうか。 |
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■主要業績
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■ひとこと なぜ、歴史学を学ぶのでしょうか。これは答えることがなかなか難しい質問です。私自身が職業的歴史研究者になった理由はただ好きだったから、言ってしまえば「若気の至り」だったとしか説明しようがありません。しかし、歴史学を学ぶことが至極面白いことは保証できます。多くの人にとっても、人生すべてをとは言いませんが、その内の何年間を費やすだけの価値はあります。 |
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【私のゼミ(学部)で学ぼうとする皆さんへ】私が担当する西洋史演習は、西洋古代史ゼミと呼ばれています。西洋古代史と言えば、まず古代ギリシア・ローマの歴史が対象となります。しかし、学部のゼミでは、その他に古代オリエント、古代ケルト、さらには古い時代のイスラームや植民地化以前のアメリカ大陸の歴史などを勉強している学生などが幅広く参加しています。演習に参加する学生には、歴史学の研究が二つの柱、過去の人々が残した様々な史資料と過去の歴史家たちが積み重ねてきた研究(研究史)の二つに支えられていることをいつも強調しています。演習は、これら二つを歴史研究のための道具として使いこなすこと目指して行われます。具体的には、学生が自分の関心分野の最新研究を紹介する報告、参加者全員が同じ史料を読解したり、その史料に関連する研究を読んでいく講読が行われます。各人の報告は主として日本語文献を用い、全員で読むものは古代の史料は英語訳を、研究も英語で書かれたものを主に用います。 |
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【私のゼミ(大学院)で学ぼうとする皆さんへ】大学院での西洋古代史ゼミは、基本的には参加者個々人の研究報告とラテン語(ギリシア語)の原典購読からなります。大学院生の研究は、院生各人が責任も持ってテーマを決めて行うものです。ゼミでの報告以外には、適宜、教員の指導や助言を受けつつ、各自のペースで研究を進めていくことになります。語学に関しては、大学院入学以前に、少なくともラテン語と古典ギリシア語の文法を修得し、基礎的な読解力を有している必要があります。また現代語については、昨今のグローバリゼーションの影響か、英語で書かれる研究書や論文が著しく増えてはいますが、やはり英語だけでは不十分です。修士論文執筆の段階では、基本的に英・独・仏の三か国語の研究を必要があれば参照できることが必須となります。さらに研究対象によっては、イタリア語、スペイン語などの研究を参照せねばならないこともあり得ます。これらの語学の習得に積極的であることが是非とも必要です。 修士論文には、世界各国で行われた研究を参照した上で、独自性を持つ研究であることが求められます。多少荒削りであってもオリジナリティを追求することになります。後期課程に進学した場合には、修士論文に基づいて、その内容をさらに推敲して磨きをかけた上で、何本かの論文を専門雑誌等に発表することをまずは目指すことになります。その上で、独自の体系を持つ歴史像を博士論文において築き上げるべく、さらに研究を進めることなります。 |
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Key words: Ancient Roman History; Late Roman Republic; Early Roman Empire; Augustan Rome; Ancient Roman Family and Politics. |