学習院大学 東洋文化研究所The Research Institute for Oriental Cultures

研究プロジェクト

一般研究プロジェクト

東日本震災に対するタイランド国民のSNSでの反応比較

(1)研究の目的・意義

2011年3月11日の東日本震災を契機に、世界中のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)において日本に関する書き込みが行われた。特にタイランド、中国といったアジア諸国では、地理的にも心理的にも身近な日本の状況を憂慮し、震災の被害状況や日本への支援等について、SNS上でさまざまな議論が行われた。インターネットによるコミュニケーションが進む現代において、災害時におけるSNS上の議論のその国における社会的意味を追求することが本研究の目的である。具体的には、災害時に日本人と東アジア諸国の人々がSNSで語り合う内容に、顕著な差異が存在するか否か、SNSへの書き込み内容を使った文化比較を行った。対象国はタイランドとした。
書き込み内容の分析には、内容分析と時間変化分析の二種類がある。内容分析により、テーマごとの書き込み内容と書き込み量がわかり、タイランドと日本両国の人々の価値観の文化比較が行える。時間変化分析では、テーマの持続性パターン(テーマ別、書き込み量の時間変化率)に関する比較が行える。
分析結果はプロジェクトの成果を全世界から参照できるようにするためにWEBで公開する。こうした2国間に渡る、SNSというニュースメディアに関する文化的分析は例が少ないと考えられるため、世界中から多くの閲覧が期待される。

(2)研究内容・方法

①SNSの書き込みデータ取得:タイのSNSとしてwww. pantip.com、www. sanook.com、www. kapook.comの3つのサイトから書き込みを取得し、日本のSNSとして価格.comの掲示板、NPO法人(SAVE IWATE)のBlogから書き込みを取得し、タイ語形態素解析ソフトSwath(Smart Word Analysis for THai)および日本語形態素解析ソフトMeCab(和布蕪)を用いて言語処理を行った。
②言語処理結果へのテキストマイニング技術の適用:言語処理の結果に対して時系列の行列を作成し、タイと日本両国における大震災に関する話題の時系列変化の可視化を試みた。グラフ作成にはGephi等のソフトを利用した。
③タイと日本のSNS上の話題推移の比較:テキストマイニングの結果からタイと日本の間で、反応の連携が見られるか、違いが見られるか、特徴的な話題は何かなどを時系列に比較した。
④成果をオンラインで全世界から参照できるようにするため『調査研究報告』のPDF化を行い、WEB上で参照可能なコンテンツを作成した(これには、タイ語のSNS書き込み分析結果、100語のキーワードのシソーラス及び、書き込みに関係する重要語の日本語-タイ語-英語対応表も含まれる)。これらの目次は外国からの閲覧に対応するために英語・日本語・タイ語の3か国語で表記した。
※タイ語のデータ取得・言語処理・テキストマイニングおよび成果ビデオタイ語版の作成に関してはチュラロンコーン大学のSupavadee Aramvith准教授、Teeranoot Chauksuvanit博士の全面的な協力を得た。

(3)研究成果

・プロジェクト成果刊行物(『調査研究報告』No.59)

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・成果紹介ビデオ

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構成員
代表研究員 白田由香利(学習院大学経済学部教授)
研究員 久保山哲二(学習院大学計算機センター准教授)
客員研究員 橋本隆子(千葉商科大学准教授)
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