学習院大学 法学部 | 法学科|政治学科

巣立つ卒業生インタビューInterviews with Graduates

♥ 内芝さんのある1日

7:40
担当クライアントへ出社
8:00
開発チームの朝会後、上司へ進捗を共有しながらプログラミングなどの開発業務
12:00
昼食
13:00
クライアントとのミーティングで課題の洗い出し
14:00
午前中につづき開発業務
16:00
退社
17:00
ピラティス教室で汗を流す
19:30
帰宅。夕食は基本的に自炊
memories ♪学生時代
memories ♪学生時代
卒業式の時に撮影したゼミの仲間との一枚。「大久保先生のゼミでは、法律の条文の先にある、生きた社会の仕組みを学ぶことができました」

法学部で学んだ「論理的な思考力」は、システム開発にも役立っています。

文系でも技術職での就職に挑戦!

 私のように、プログラミングの経験ゼロから技術職である SE の世界に飛び込んだのは、珍しいケースかもしれませんね。もともと好奇心が強く、新しいことにチャレンジするのが好きな性格。地元の大阪の大学ではなく、東京の学習院大学に進学したのも、新しい土地で新しい生活を始めたいという気持ちがあったからです。
 就職活動で情報収集をしていくうちに、法学部出身でも SE のような技術職に就けることを知りました。そこで持ち前の好奇心から、技術職に挑戦してみたいという気持ちが湧いてきたんです。周りの友人は公務員や営業職を目指す人がほとんどでしたが、私は技術職に絞って就職活動を続け、現在の会社に SE として入社することができました。
 今はクライアントであるプラント建設の会社に常駐し、チームの一員としてシステム開発に携わっています。入社後の研修でプログラミングの基礎を学んだものの、業務では壁にぶつかることも多く、勉強の毎日です。同期には理系学部出身でもともとプログラミングが得意な人も多くおり、考え方によっては劣等感を抱いてしまうかもしれませんが、私はこれをメリットと捉えています。仕事で疑問が出てきたとき、気軽に聞ける同期がいるのは心強いですから。

法学部で学んだ「論理的な思考力」

法学部で学んだ「論理的な思考力」

 一見、IT 業界と法学部での勉強は接点がないように思えますが、意外とつながりがあることに気づきました。今、「ITパスポート試験」や「基本情報技術者試験」といった技術者向けの資格の勉強を進めているのですが、試験では情報セキュリティに関する法律の知識も問われるので、大学で学んだことが直接活かされます。
 また、実際に司法試験に出題される問題を解く「応用刑法」という講義を履修していましたが、その中で培った、〝物事を論理的に構成し説明する力〟はシステム開発にも役立っていると感じています。たとえば、1つの犯罪を有罪とするには法律上の様々な要件を満たす必要があり、これを文章で論理的に組み立てて説明しなければなりません。システム開発においても似た部分があり、クライアントの課題を解決するためには要件の定義や設計がカギとなります。そういう意味で、法学科では今の仕事のベースとなる考え方の訓練ができたと思います。
 こうした講義では受講生が4〜5人と少人数で、教授との距離が近く、丁寧に指導していただけたので心強くもありました。同じ教授の講義でも、大人数の講義と少人数の講義の両方を履修すれば、前者の講義で理解が曖昧なことがあっても、後者の講義中に納得いくまで質問をし、理解を深めることも可能です。こうした学び方ができるのも、1学年の人数が比較的少ない学習院大学の魅力の1つではないでしょうか。

法律の先にある、法律以外の世界

法律の先にある、法律以外の世界

 じつは入学当初は、法律関係の仕事にしか目が向いていませんでした。私が興味があったのは刑法でしたが、民法や商法など企業に関わる法律の講義を受けたことで公務員以外にも選択肢が増え、結果的に法学とはまったく畑の違う IT 業界での就職につながりました。
 とくに、私が所属した大久保直樹教授のゼミでは独占禁止法など企業に関する法律を中心に学び、法学以外の道が一気に広がりました。法律は条文だけではなく、その先にある事例を見ていく必要があります。ゼミでは実際に社会で起きている企業の合併などを題材として学んでいたので、会社や経済の仕組みまで勉強することになり、結果的に法律以外の知識も身につきました。
 大学 2 年生からは、コロナ禍をきっかけにオンライン授業が増え、友達と机を並べて学べない寂しさを感じたこともあります。ですが、これも通学時間を節約して、より多くの学びに挑戦できる機会と捉えることにしました。自分の中でブレーキをかけずに色々な学問に触れ、チャレンジしていくことが、その後の自分の人生の選択肢を広げることになると私は信じています。