修了後のこと - 修了生座談会

修了生座談会 2015

司法試験合格者 座談会 2015

念願の司法試験に合格した法科大学院修了生5名が青井未帆教授のもとに集結。学習院で過ごした充実した日々を振り返りながら、これから法曹をめざす学生たちに向けてのアドバイスや、自身の将来の夢などについて熱く語り合っていただきました。(インタビュー実施日:2015年10月22日)

法曹への夢、学習院への期待

青井教授
本日は今年9月に司法試験に合格したばかりの修了生5名にお集りいただきました。まずは、法曹をめざすきっかけと、本大学院を選んだ理由を聞かせてください。ざっくばらんにお話しましょう。
村上
父が弁護士なので、法曹は割と身近な存在だったのですが、高校3年の時、僕の学校が履修漏れ問題に巻き込まれまして。それをきっかけに「ルール違反」と「責任」についていろいろ考えることもあり、法曹人を目指そうと強く思いました。大学に入ってからも法律科目にますます興味が湧き、人の心に関わる弁護士の仕事って面白そうだなって思いましたね。本大学院を選んだのは、大学時代に、故・西田先生や櫻井敬子先生、大橋洋一先生、長谷部由起子先生など、学習院の先生が書かれた本を指定教科書として使っていたのが大きいですね。「ああ、この方が書かれたのか」って、最初はすごく感動しました。
井口
村上君と似ているんですが、私も身内に法曹関係者が多かったので、一番身近な職業という意識がありました。特に両親から勧められたわけではないのですが、自然とこちらの世界に足が向きました。この学校を選んだ理由の一つは、ご高名な先生が多くいらっしゃること。そしてもう一つは、合格したのがここのロースクールだけだったんです(笑)。ただ、今となっては学習院で本当に良かったなと心から思っています。
渡辺
私の父は歯科医師をやっているのですが、地域の人のために仕事をしている姿に幼い頃から憧れがありました。初めはなんとなく法学部を選んだというのが本音なんですが、弁護士も父の仕事と重なる部分があるのかなと、今は思っています。村上さんや井口さんが言うように、学習院には優秀な先生が多く、少人数制でソクラテスメソッドや模擬裁判もあると聞いていたので、とても魅力を感じました。当時は、大人数の前で発言することに自信がなかったので、少人数だったら、みんなとやり取りしたり、議論したり、できるんじゃないかなって思いました。
野崎
僕が法曹を志したきっかけは、高校生の時に弁護士になったOBの方の講演会があり、その話を聞いていたら単純に「かっこいいなぁ」と思いまして。それくらいの年頃って、普通じゃ嫌だなとか、イメージから入っていくと言いますか(笑)。それからいろんなことがあり、自分自身や家族にも結構辛いことが起こり、そういう中で実際に弁護士が人のために働いている姿を目の当たりにして、法曹になりたいという思いが徐々に強くなっていきましたね。この経験が生かせるんじゃないかと。学習院のロースクールを選んだのは、中学からずっと学習院なので、素晴らしい先生がたくさんいることもわかっていたし、慣れ親しんだキャンパスだったんで、最後までお世話になろうかなと。
紙尾
最初は「法学部ならつぶしがきくよ」と言われて法学部を選び、法曹に関しては「かっこいいから、受けてみようかな」くらいの本当に軽い気持ちでした。だから、本気で法曹を目指そうと思ったのは、実は大学院に入ってからなんです。実務家の先生の授業を受けたり、「エクスターンシップ」などで実際の仕事も見せていただいたりしているうちに、人のために走り回っている先生の背中が本当に素敵で。自分もこういう風に働けたら凄いなと“実感”したことが大きかったですね。学習院を選んだのは、テニスサークルの先輩がたまたま学習院にいて、いいキャンパスだし、先生も素晴らしいよと聞いていたので、受験しようと思いました。

座学+実務体験で
法曹を立体化

皆さん、さまざまな理由で学習院にご入学されたわけですが、実際に来てみていかがでしたか?印象に残っている授業やゼミなどありましたらお聞かせください。

村上
僕は先程も言いましたけれど、教科書の著者である先生に教えてもらえるという喜びが大きかったですね。自分で書かれた教科書なので、その行間を授業で教えてくださったりすると感動します。
井口
僕はやはり、大橋先生の「起案等指導1」が一番印象に残っています。法律文書の書き方を学ぶ授業として設定されていると思うんですが、法律文書の書き方以前の、日本語の書き方を教えていただいて、句読点の打ち方から主語・述語の対応まで教えていただいて。今でもいろいろ考えながら物を書く時は、そのご指導を思い出しながらやっています。
野崎
「起案等指導」っていうのは、ある課題に対する答案を先生に提出して、いろいろご指導いただくんですが、大橋先生の場合、それをみんなの前でやるんですよね。全員に自分が書いた答案のコピーが配られて、赤が入っているところを細かく注意されるんです。それが凄く恥ずかしいわけですよ。でも、僕は逆にそれが「何くそ!」というモチベーションを生んでくれたので、今では感謝しています。
渡辺
私が卒業したのは3年前なので、結構カリキュラムが変わっているかもしれませんが、当時はレポート課題が多くて、学内では「時間を意識しない人が多くなってしまうのでは?」という意見も多少ありました。司法試験っていうのは、短い時間の中である程度のものを書き上げなければならないので、それも一理あるのですが、個人的にはレポート課題は凄く役に立ちました。毎回、あるテーマについて必死に考えて、文章の構成も考えて、長時間にわたってレポートに取り組んでいたのですが、その積み重ねによって、自分なりに良い文章が書けるようになったんじゃないかなと思っています。
青井教授
現在は、渡辺さんがいた頃から比べると、レポートの数は少なくなっていると思います。ただ、みなさんにとって一番良いカリキュラムにするためにはどうすればいいかを日々模索しておりますので、今後も変わる可能性がありますね。
渡辺
あとは「模擬裁判」ですかね。結構法律って座学が多くなってしまって、六法全書とか読んでいても、正直、イメージがなかなか湧いてこない。実際はどうやっているのかが、読んでいるだけじゃわからないんですね。でも、学習院では模擬法廷というのがあって、実際に裁判官席があり、そこに裁判官担当の人が座って、検事、弁護士、証人も全て設定して、証人尋問もやるんです。書面もちゃんと作成し、本番さながらです。「模擬裁判」をやっている大学院は多いと思いますが、学習院の場合、その道のプロの方に直接指導してもらえることも、特色なんじゃないかと思います。
紙尾
これから僕たち、司法修習が始まりますが、それこそ「模擬裁判」と同じことをまたやるわけですけど、学習院出身の先輩に聞くと、やはり本気で「模擬裁判」をやったおかげで、そんなに苦じゃなかったと。書面の作り方も実際に1度自分で悩んで作った経験があるし、それ以上に、相手がどう出てくるかとか、法廷ってどういうことをやる場所なのかとか、イメージがつくので本当にやりやすかったと言っていましたね。
青井教授
今お話があったように、わが校の場合は「模擬裁判」にかなり力を入れています。学生さんにとって凄く達成感があるみたいで、良かった科目の一つに挙げられる方が多いようですね。
紙尾
今までお話に出てきた科目以外で印象に残っている授業ですと、「債権法改正」でしょうか。能見先生が担当されていたんですが、当時、債権法を改正する法制審議会のメンバーとして審議委員会にも参加されていたのですが、その議論を授業に持ち込んで、まさにオンタイムでやっていることを教えていただいて、しかも、それはまだ改正をどういう方向にしようかと議論している段階なので、「君たちどう思う?こっちの案と、こっちの案とこういう方針でこういう理屈に基づいているんだけど、どう思う?」という風に問いかけてくるんです。実際に第一線で活躍されている先生と対話し、それこそ討論するぐらいの勢いになったこともありましたが、それは本当に興味深かったですね。普段、教科書で眺めていると、ただ平面的なだけなんですが、それが実際に起きている問題に生きているんだなということもよくわかりました。

密度の濃い少人数教育が魅力

青井教授
これから、法科大学院を受験する人たちに、学習院のお薦めしたいポイントとか、こういう風に勉強したらいいんじゃないかとか、心構えも踏まえて先輩としてのアドバイスがありましたらぜひ。
村上
やはり先生が著名であるだけでなく、とても身近な存在であったことは、ありがたかったです。先生に名前を覚えていただいたり、個別の悩みも聞いていただいたり。お忙しいと思うのですが、きちんと対応していただいて。教科書を書いているような偉い先生にこんなにもフレンドリーに接していただいて、そういう点では凄く温かい大学だなと思いましたね。
井口
僕も村上君とほぼ同じで、学習院のいいところは、少人数制で先生に顔を把握していただけるところ。いろんな先生の授業を何度も聴講させていただいて、同じ授業に3年連続で出たりもしていましたね。青井先生の授業にも2年連続で出させていただきました。主体的に勉強する人にとっては、凄く良い環境だと思います。
青井教授
この大学はとてもこじんまりとしているので、学生さんの名前と顔が一致するんですよね。マンモス校にはない、ひとつの大きい特色ですね。面倒見がいい大学院だと思います。だから、積極的に質問をしに来たり、聴講しに来たりする学生はやっぱり受かっていきますよね、一生懸命やる学生に対して応えられるような体制がきちんと提供されると思います。
野崎
僕は未修で入ったので、それこそ基本的なところからから教えていただいたんですが、少人数なので、必ずどの授業でも1回は当たるという…これは恐怖でしたね。学部の頃にゼミとかありましたが、あまり真面目に取り組んでいなかったので。これは大変だぞと。だから1年生のときの授業は本当に緊張感が物凄くで、やはり予習に力が入りました、そのおかげで勉強のリズムが生まれたというか、授業前には必ず今日やるところをしっかり予習して臨むというサイクルができてきました。
村上
今、野崎さんがおっしゃったように、予習は(力を込めて)とっても大事だと思います。予習した上で授業に臨まないとついていけません。まともに授業が受けられないと凄くもったいないことなので、やはり予習は大事だなと改めて思います。あともう一つ、今、僕が過去の自分にアドバイスするのであれば、授業で先生の質問に答えるだけではなく、それを自分が仮に司法試験で問われた場合、どう書くんだっていう「視点」を授業の段階で持っていれば、もう少しスムーズにいったかなと思います。
渡辺
先生が親切で温かい、というところは私も一番に挙げたいポイントですね。司法試験前になると、どうしてもちょっと不安になって、いろいろ聞きたいことが出てくるんですが、学習院には「オフィスアワー」っていうのがありまして、例えば、何曜日の何時は先生がずっと常駐しているので、学生は好きに来ていいよっていう時間が設定されているんですよね。授業は受けたことがなかったのですが、司法試験前にどうしてもわからないことがあって「オフィスアワー」を利用して先生に直接、ご相談させていただいたんです。それまでほとんど面識もなかったんですけど、質問に凄く丁寧に答えてくださったので、落ち着いて司法試験を受けることができました。
紙尾
これから入ってくる学生にお勧めしたいのは、いい意味で「身の程知らず」になって動いてもらうとたぶん勉強のしがいがあるし、合格にも凄く近づくのかなって思っていまして。今、みなさんが言ったように先生との距離が近いのが学習院の一番の特徴なので、積極的に接してほしいですね。教科書を書いているような先生や有名な裁判官の先生もいらっしゃって、なかなか近付き難かったりしますが、勇気を出して思い切って飛び込んでみると、とても温かく迎えて入れてくれて、親身に対応してくださいます。誰も手を挙げなかったら、自分から手を挙げるとか、発言するとか、学部の方の授業にも足を運んでみるとか、積極的になればなるほど、それが自分に必ず返ってきますから。

緑と施設と独自の教育システム

青井教授
大学の施設や環境面はいかがでしたか?
渡辺
中央教育研究棟の9階が法科大学院専用の自習室で、10階が図書室になっているのですが、私は、ほとんど毎日自習室に通っていたました。自習室の利用のしやすさも結構魅力ですね。机が本当に広くて、本棚とかも与えられていて。あそこで資料もすぐに閲覧できて、結構効率的に勉強できますし、やはり司法試験の勉強をする時って、六法全書を広げて、教科書を広げて、何か書いたりすると相当場所が必要なんですけど、ストレスを感じることなく勉強できました。あとはやはり、キャンパスの緑がきれいなので、休憩するのにちょっと周りを歩いたり、学部生が楽しくしているのを見て、楽しそうだなぁとか思ったり。トレーニングジムも利用できるので、どうしても煮詰まった時は、そこで走ったりして気分転換していました。
野崎
凄い、完全に施設を利用し尽くしていますね。
青井教授
あの広い机の幅は、結構、学習院の売りなんですよ。細かいところなんですが、意外と重要なんです。
野崎
先生は10階、11階にいらっしゃるし、あと、10階には判例集とか、資料とかありますけど、やはり大学の図書館のほうがいっぱいあるので、図書館の書庫に行ったり、法経図書センターの書庫に行ったり、僕は学習院の大学図書館をフルに使っていましたね。
青井教授
ここの法経図書センターは、法学部・経済学部・法科大学院の附属図書館なんですけど、蔵書数60万冊以上という、結構な規模の図書館なんです。学習院にしかない資料も入っています。実はすごい図書館。
野崎
だからもう、そこで調べられないものはないぐらいの感じでしたね。環境面では最高ランクなんじゃないでしょうか。
紙尾
設備の面でもう一点補充をするなら、先程スポーツジムの話が出ていましたけれど、さらにスポーツ健康保健センターというのがありまして、そこに行くと学生証があれば、自由にいろんな施設が使えるんです。僕はテニスで気分転換していましたね。
渡辺
紙尾さんは「エクスターンシップ」に行かれたんですよね?
紙尾
「エクスターンシップ」の受け入れ先の弁護士事務所も結構たくさんありまして、何週間か実際の仕事を体験することができるようになっていて、申し込みをすれば、人数があふれない限りは原則的に受け入れていただけると思います。私が参加した時は、事務員さんにくっついていって、裁判所まで行ってどういう手続きをするのかを見てきたり、地方の事件について電話会議をしている様子を見学させていただいたり…現場に行ってリアルな体験をしてくるのは勉強になりましたね。僕の場合、タイミング的に「模擬裁判」を先にやって、そのあとに「エクスターンシップ」のチャンスが来たので、凄く役に立ちましたね。
渡辺
合格してからまたやりたい授業とか、合格したあとだからこそ取りたい授業とかもありますよね。在籍していた時は試験科目を優先して勉強していたので、私は結構利用できてなかった授業も多いんですよね。
青井教授
実は「リカレント教育」というのを始めまして。皆さんが働き出して、例えば労働法をもっとちゃんとやっておけば良かったとか、知的財産法をもっとやっておけば良かったとか、専門性の高い科目の最新の議論を学びたいといった声もよく聞かれるので、これから先、もっと拡充していく予定です。もうすでに何人か、この後期から受講されていてかなり好評ですよ。

試験対策は勉強の量・質、
そして気持ち

青井教授
司法試験対策も受験生にとっては気になるところですが、みなさん、どのような準備をして臨んだか、教えていただけますか?
野崎
もちろん勉強は大事なんですが、最後は気持ちだと思います。僕の場合、今年も半信半疑だったんですよ。それというのも3日目の午前中の科目がぜんぜんだめで、「もうこれは終わったな」と顔面蒼白になりました。でも、そこで諦めてなるものかと。「次で取り返せばいいんだ」と気持ちを切り替えて挑んだら、3日目の午後の刑事系が結果的に一番良かった。そういうことがあるんですよね、やっぱり。諦めないっていうのがほんとに大事だなって。
村上
僕はパソコンで、先生の発言をほぼ10割ノート化していました。ある意味、自分で本を作って、そこに綴じこんで、それをずっと繰り返し読んでいましたね。そういうことを授業の段階でやっておくといいですよ。自分の言葉でまとめておいて、わからないことがあれば最後に先生にお尋ねすればいいですし。
井口
具体的な方向じゃなくて申し訳ないんですが、野崎さんも言っていましたけど、気持ちと、あとは勉強量ですかね。絶対量が一番大事かなって思います。僕は毎日、1日15時間以上勉強することを決めた上で、試行錯誤しながらいろんな勉強方法にトライしました。自分がこれだ!と思うことをやればいいと思うんですよ。やり方は人それぞれ。大切なのは、何を一番やるべきなのかを自分で考え、そして量をしっかりやる。それを実行するためには、やはり最終的には気持ちがないとできませんからね。
渡辺
私は3回目で合格したんですが、1回目はちょっと知識が足りなかったなと思うんですけど、2回目に受験したときは、「なんで落ちたんだろう」っていうその分析から始めて、今年合格できたのは、やはり弱点分析が一番効果があったと思っています。勉強量は負けていないのに結果がでないという人は、自分の何がいけなかったのかを振り返って考えるという作業をすることを強くお勧めします。
野崎
僕も渡辺さんとまったく一緒で、1回目で落ちて、自分のどこがだめなのか、自分に足りないところは何なのか、というところを埋めていく作業を今年1年やったから受かったのかなと思っています。大失敗しなければ、たぶん落ちないテストだと思うんですよね。だからまず、基本的な知識は、先ほども出ていましたけど、予習をしっかりやって、自分なりのまとめノート作って、プラス、授業で先生がおっしゃったことを書き足して完成形を作って、それを基礎知識としてずっと使っていく。あとは、書く能力だと思うんですが、そこは自分ではわかりづらいところでもあるので、渡辺さんがおっしゃったように他の人と見比べたりして、自分の弱点を早めに見つけて、それを克服するようにするといいと思いますね。
紙尾
勉強の面でいうと、まず、敵を知るっていうのが大事かなと思ったんで、これから入学して勉強する前に1回、司法試験の問題を見て実際にチャレンジしてみてから、先生とコミュニケーションをとりながら授業をやっていくと、もの凄く力になると思います。そうじゃないと、先生のおっしゃったことの中で、だいたい全部重要なんですけど、その中でも自分に今すぐ必要なものと、あとから肉付けしていけばいいものとが分かれていくと思うんので、勉強の面ではまず、試験の問題をやってみるっていうのもひとつ対策ですね。これから入学する方にぜひやってもらいたいなと思います。あと、気持ちの面では、先程からもう出ていますけど、「自分は合格するんだ」っていう前提でこの大学院を利用して、むしろ、「受かるか、受からないか」という質問よりは、「私はいつ受かりますか?」「そこまでには何をしたらいいですか?」っていうようなことを先生にどんどん質問していったほうがいいかなと思いますね。
青井教授
今、みなさんに言っていただいたように、それこそ、学校を使い倒してほしいですね。先ほど、「いつ受かるか」が重要だっておっしゃいましたけど、本当にそれは凄く必要なこと。いつ受かるかってことの前に計画を立てて、最大限に使っていただければ、それこそ密度の濃い勉強ができます。また、法務研究科の附置機関に法務研究所があります。これは学習院の法科大学院出身の法曹と教員だけでなく、学習院大学を出て他の法科大学院に進んだ法曹も含め、ゆるやかに学習院と関係のある人たちをメンバーにしています。是非、法務研究所主催の研究会などにも積極的に参加してください。学習院を卒業したというプライド持って、法曹として大きく活躍していただきたいと思っています。

法曹に描く将来のヴィジョン

青井教授
最後にみなさんの今後の夢をお聞かせください。
村上
まだ、はっきりとは決めていませんが、とりあえず法曹三者では弁護士になると思います。その中で会社に入るか、弁護士事務所で働くかはちょっと悩んでいるところです。ま、どちらになるにしても、僕はある意味、父の背中を追いかけるところもあります。人とのご縁を大切にし、世の中のルールを見ながら、社会に関わっていければと思っています。
井口
法曹三者で何を目指すか、というところは、まだ正直、決めかねていまして、これから修習を通して、自分に合った、あるいは自分が興味を持てるようなところに行けたらと思っています。
渡辺
私は将来、一般民事事件を取り扱える弁護士になりたいですね。家族に関する問題、特に高齢化社会になっていくうえで、そこから生じる問題などに取り組み、父のように地域の人のために役立てるような弁護士になりたいですね。
野崎
僕も弁護士志望で、東京でやりたいと思っているんですが、とりあえずはお金を少し貯めたいなと思っています。これには理由がありまして…自分自身がまず余裕を持ちたいと。弁護士になるからには、やはり本当に困っている人、頼みたくてもお金が全くない人をなんとかサポートしてあげたい。それにはやはり、自分に余裕がないとできないと思うので、まずはそこから始めようかと思っています。
紙尾
僕は、大学時代から英語が得意でやってきましたので、できましたら日本法のプロとして、英語でそれを他の人たちに説明できるといいなと思っています。
青井教授
今日はみなさん、どうもありがとうございました。

MEMBERS

司会進行
青井 未帆 教授(専門分野:憲法)

東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得満期退学(修士(法学))。2003年7月信州大学経済学部専任講師。2006年4月信州大学経済学部助教授(2007年より准教授)。2009年4月成城大学法学部准教授。2011年4月学習院大学法科大学院教授(現在に至る)。日本公法学会、全国憲法研究会、憲法理論研究会に所属。
村上 想 神戸大学法学部法律学科出身。2014年学習院大学法科大学院修了。2015年司法試験合格。
井口 亮 國學院大学法学部法律学科出身。2014年学習院大学法科大学院修了。
2015年司法試験合格。
渡辺 晃子 上智大学法学部法律学科出身。2013年学習院大学法科大学院修了。
2015年司法試験合格。
野崎 正彦 学習院大学法学部法学科出身。2013年学習院大学法科大学院修了。
2015年司法試験合格。
紙尾 浩道 上智大学法学部法学科出身。2014年学習院大学法科大学院修了。2015年司法試験合格。