USAF Air
Universityを経て現在セントルイス大学で奉職されている片桐氏から「サイバー空間の安全保障と国際政治学」を論題に報告いただいた。
片桐氏から、国・社会のインフラとなったサイバー空間が度々攻撃にさらされていること、先進国はインターネットへの依存度を高めており、サイバー攻撃に対して脆弱な状態にあること、サイバー空間の「無政府状態」を解消することは困難であること、国家と非政府行為主体(企業など)が他国のネットワークに侵入し情報を盗み出していること、日本政府もサイバーセキュリティ対策を強化しているが、予算が限られていること、日本のNational Cyber Power Index 2022のランキングが大きく低下していること、システム防衛のための強靭な監視システムを構築するだけでなくデジタル・スパイを取り締まるために柔軟な法解釈が必要となることなどについて説明があった。
ご報告後に、院生、学部生を含む参加者からの活発な質疑応答があった。
この研究会を通じて、通常の国際政治学の授業やテキストでは学ぶ機会が少ない新しい分野の国際政治とガバナンスに関する課題について多くの知見が得られた。