故坂本多加雄先生(政治学科教授在職中に急逝)の没後20年にあたり、当大学院政治学研究科と「日本文明」研究フォーラムとの共催の形で、故人をしのびつつ、その業績を回顧するシンポジウムが開催された。南3号館201教室にて、午前10時から午後6時まで。
登壇者は、河野有理氏、苅部直氏、鈴木健吾氏、田頭慎一郎氏、北岡伸一氏、梶田明宏氏、杉原志啓氏、井上寿一氏、御厨貴氏(登壇順)、司会は杉山亮氏であった。
新進気鋭の研究者による未公開史料の発掘、坂本思想史学の客観的な論評、故人と親交のあった人々による研究生活や教育の場面での思い出話、戦後の論壇における位置など、硬軟とりまぜた、知的感興に満ちた時間となった。
会場には老いも若きも延べ100名を超える聴衆が訪れ、坂本多加雄先生の研究の斬新さ、それを支えた広く深い教養、また読者に与えた影響の大きさがあらためて実感された。