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共同研究プロジェクト

外山 みどり 教授プロジェクト

『社会的文脈における自己カテゴリー化の機能に関する研究』
The function of self-categorization in social context
[Prof. Midori Toyama]

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1. 目的・内容・期待される効果など

 本研究では、自他の認知、対人関係、集団過程などにおいて重要な役割を果たす自己カテゴリー化について、その心理的プロセスを明らかにするとともに、社会心理学的、臨床心理学的問題との関連でそれが果たす機能を、理論的、実証的に検討することを目的とする。

 自己カテゴリー化は、従来、社会的アイデンティティ理論との関係で問題とされることが多かったが、その成立過程についての心理学的研究は十分に行われているとは言いがたい。自己カテゴリー化の過程は、自己に関連する情報の収集からはじまって、情報の分類と組織化、カテゴリーへの評価および他者との比較、カテゴリーの維持・修正などを含む諸段階から成る。また、分類的観点から自己をいかに認識し、記述するかということは、対人場面における自己-他者の関係、コミュニケーション、集団所属や社会的状況の意味などを考える際の中核となるものであり、さらには臨床心理学的な問題や社会的認知研究とも重要な接点をもつ。本研究では、異なる研究実績をもつスタッフの共同研究によって、この問題を多角的に検討することにより、自己研究の新たな展開を目指す。

2. 研究スタッフ

【プロジェクト代表】
・外山みどり:学習院大学文学部教授(心理学科)

・篠原彰一:学習院大学文学部教授(心理学科)(2005年度より)
・川嵜克哲:学習院大学文学部助教授(心理学科)(2004年度まで)
・中村陽吉:学習院大学人文科学研究所客員所員(2005年度より)
・飛田操:福島大学教授
・下斗米淳:専修大学教授
・上瀬由美子:江戸川大学教授
・吉原智恵子:日本福祉大学助教授
・風間文明:十文字学園女子大学専任講師
・小口孝司:千葉大学助教授
・清水裕:昭和女子大学助教授
・中江須美子:立教大学心理教育相談所所員
・坂井剛:立教大学非常勤講師
・山岡重行:聖徳大学講師(2005年度より)
・山田歩:学習院大学文学部助手(心理学科)

3. 活動報告

15年度:年間7回の研究会を開催した。うち2回は哲学科・酒井潔教授と心理学科の中村陽吉 元教授の講演会を開催し、今後の研究の展開に対して極めて重要な示唆を得た。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2003年度版に掲載されています。)

16年度:研究会をほぼ1ヶ月に1回のペースで開き、各研究スタッフの研究発表を通して、データ収集に向けての方法論の検討と準備を行うと同時に、内外の研究者を招いた講演会を3回開き、自己カテゴリー化の問題をさまざまな角度から考察するために必要な知見を得た。(詳細は『人文科学研究所報』2004年度版に掲載されています)

17年度:計7回の研究会を開き、さまざまな方向から自己カテゴリー化の問題を検討した。17年度はプロジェクト最終年度であるので、前年度までに検討した理論的問題を踏まえ、研究計画に基づいたデータ収集と分析を実施して、その成果を報告した発表が大部分であった。

4. 今後の活動予定

本プロジェクトは、2006年3月31日を以て終了いたしました。ご協力下さった皆様に厚くお礼申し上げます。なお、研究成果を総括し、人文叢書4『「自己カテゴリー化」における心理的過程を巡って』を刊行いたしました。

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