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共同研究プロジェクト

高田 博行 教授プロジェクト

『歴史語用論に関する総合的研究』
[Prof. Hiroyuki Takada]

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1. 目的・内容・期待される効果など

 「歴史語用論」とは、現代語を研究対象とすることが一般的な語用論的視点を歴史的段階へ適用しようとする新しいアプローチ法のことであり、ここ十数年の間に言語学の一分野として認知されてきた。本研究では、ドイツ語、英語、日本語を対象言語として、談話標識のほかポライトネス(敬意表現)、呼称、テンス、発話行為、人称代名詞、およびそれらの語用論的相互作用を実証的に解明することを目指す。その際、「通時的語用論」の立場から異なる歴史的段階にある言語使用どうしを通時的に比較し語用論的変化を捉えるのみならず、「語用論的フィロロジー」の立場から歴史的段階の言語使用と社会文化コンテクストとの相関関係を(主として)共時的に捉える視座も重視する。これらの実証的な分析結果を比較検討することによって、究極的には三言語の違いを越えた普遍的ないし類型論的な原理が見い出せる可能性が高いと考えられる。

2. 研究スタッフ

【研究代表者】
・高田 博行:学習院大学 文学部教授(ドイツ語圏文化学科)
【所員】
・渡辺 学  :学習院大学 文学部教授(ドイツ語圏文化学科)
【客員所員】
・小野寺典子:青山学院大学 文学部教授
・椎名 美智 :法政大学 文学部教授
・白井 宏美 :神戸大学 教育推進機構非常勤講師
・鈴木 亮子 :慶應義塾大学 経済学部准教授
・中安美奈子:浜松医科大学 医学部准教授
・新田 春夫 :武蔵大学 人文学部教授
・福元 広二 :鳥取大学 地域学部准教授
・森山由紀子:同志社女子大学 文芸学部教授
・東泉 裕子 :東京学芸大学 留学生センター非常勤講師
・堀江 薫  :名古屋大学大学院 国際言語文化研究科教授
【研究補助者】
・芹沢 円 :学習院大学大学院 人文科学研究科 ドイツ文学専攻 博士前期課程
・田中 翔太:学習院大学大学院 人文科学研究科 ドイツ文学専攻 博士前期課程

活動年度:兵営20年度~2010年度

2008年度:数度にわたる会合のほか、研究協力を約束いただいていたTaavitsainen氏には2009年3月に来日いただき、歴史語用論的研究の理論と実際について議論を行なった。(詳細は『人文科学研究所報』2008年度版に掲載されています。)

2009年度:4回の会合で所員どうし、歴史語用論に関する方法論について活発な議論を行った。7月にはメルボルンで開かれた国際語用論学会で、ワークショップを開き、発表を行った。(詳細は『人文科学研究所報』2009年度版に掲載されています。)

2010年度:年5回の会合のうち、3月の「歴史用語ワークショップ」は海外協力研究者のTraugott教授とJucker教授を迎えた。(『人文科学研究所報』2010年度版に掲載されています。)

4. 今後の活動予定

本プロジェクトは、2011年3月31日を以て終了いたしました。ご協力下さった皆様に厚くお礼申し上げます。

5. 研究成果

以下の書籍に研究成果が掲載されています。
・高田博之/椎名美智/小野寺典子『歴史語用論入門―過去のコミュニケーションを復元する』大修館書店、2011年4月

・成果報告会を2012年3月29日(木)に開催しました。

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