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共同研究プロジェクト

野村 正人 教授プロジェクト

「社会のカタログ化と文学」

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1. 目的・内容・期待される効果など

 本研究は、「社会のカタログ化と文学」と題して、19世紀以降のフランスにおける社会と文学とが切り結ぶひとつの特徴的な関係を解明することを目的とする。社会のカタログ化とは、同時代の社会を階層、地域、職業などに分類し細分化したうえで、それを記述し、その集積によって社会の全体像を示そうとする方法である。この手法はバルザックの「人間喜劇」やゾラの「ルーゴン・マッカール」叢書ばかりか、それ以前の1830年代以降に発達したマイナーなジャーナリズム文学にも広く使用されている。本研究では、こうした文学がパリという複雑化した社会をどのような項目を使って分類し、その社会をどのように捉えようとしたのかを具体的に分析し、19世紀以降の文学の特徴を解明する。また社会のカタログ化という方法が生み出された背景を、博物学の発達、ジャーナリズムの急速の発達などとの関連で明らかにする。

2. 研究スタッフ

【研究代表者】
・野村 正人 :学習院大学 文学部教授(フランス語圏文化学科)
【所員】
・マレ ティエリ:学習院大学 文学部教授(フランス語圏文化学科)
・中条 省平 :学習院大学 文学部教授(フランス語圏文化学科)
・岩崎 浩   :学習院大学 文学部教授(フランス語圏文化学科)
【客員所員】
・吉村 和明 :上智大学 文学部教授(フランス語圏文化学科)
・森田 直子 :東北大学大学院 情報科学研究科准教授
・笠間直穂子:学習院大学 文学部非常勤講師
・進藤 久乃  :学習院大学 文学部助教(フランス語圏文化学科)
(~2010年度は研究補助者)(以下、~2010年度)
・高橋 晃   :学習院大学 文学部助教(フランス語圏文化学科)
(以下、2011年度のみ)
・佐伯 隆幸 :元学習院大学 文学部教授(フランス語圏文化学科)
【研究補助者】
・澁谷 与文 :学習院大学大学院 人文科学研究科 フランス文学専攻 博士後期課程
・佐藤みゆき:学習院大学大学院 人文科学研究科 フランス文学専攻 博士後期課程
・土橋友梨子:学習院大学大学院 人文科学研究科 フランス文学専攻 博士後期課程
・中山慎太郎:リヨン第二大学 博士後期課程
・前山 悠  :学習院大学大学院 人文科学研究科 フランス文学専攻 博士後期課程

活動年度:2009年度~2011年度

2009年度:資料収集と整理に関しては、主に19世紀のジャーナリスティックな著作や新聞の収集およびその資料整理を行った。研究会はJournal pour rire、Revue comiqueを資料に使い、6回の活動を行った。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2009年度版に掲載されています)

2010年度:前年度に引き続いて資料の整理を行ない、5回の研究会を行った。11月には講演会「ロドルフ・トプフェール(1799-1846)、版画物語と諷刺」を開催した。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2010年度版に掲載されています。)

2011年度:本年度は計6回の研究会を行い、海外調査ので得られた知見を報告した。海外調査はフランス在住の研究者との意見交換、図書館などでの資料調査を行った。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2011年度版に掲載されています。)

4. 今後の活動予定

本プロジェクトは、2012年3月31日を以て終了いたしました。ご協力下さった皆様に厚くお礼申し上げます。

5. 研究成果

各年度ごとに研究成果報告集O-M 2009-2010,O-M 2010-2011,O-M 2011-2012を刊行しています。

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