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共同研究プロジェクト

武内 房司 教授プロジェクト

「近代東アジア民間慈善宗教団体に関する比較史的研究」

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1. 目的・内容・期待される効果など

 本研究は,主として1920年代以降,活発に救災・慈善活動を展開した東アジアの民間慈善宗教団体の諸活動記録(『賑災報告』や『徴信録』等)を掘り起こし,それらを分析・検討することをつうじて,地域や国家を超えたネットワークのありようや,東アジアの伝統的な民衆諸宗教の近代的適応の様態を明らかにすることを目指し,主として明末以来,儒仏道三教一致の趨勢のもとに成立した清末民国期の民衆宗教や伝統宗教団体の影響を受けつつ近代に入り新たに勃興した新宗教運動などを扱う。中華人民共和国が成立した1949年以降,これらの諸団体は「反動会道門」として摘発・弾圧の対象となり,民国期の活動については十分な検討がなされてこなかった。また資料の多くも散逸してしまっている。こうした取り組みをつうじて戦争の世紀ともいわれる20世紀において,東アジアの民衆宗教が果たした役割に新たな光が当てられることが期待される。

2. 研究スタッフ

【研究代表者】
・武内 房司   学習院大学 文学部教授(史学科)
【所員】
・高埜 利彦:学習院大学 文学部教授(史学科)
【客員所員】
・今井 昭夫:東京外国語大学教授
・孫  江  :静岡文化芸術大学教授
・胎中 千鶴:目白大学教授
・島薗  進 :東京大学教授
・牧野 元紀:東洋文庫研究員
・張 士陽 :早稲田大学非常勤講師
・倉田 明子:金沢大学非常勤講師
・小武海櫻子:専修大学非常勤講師(2010年度は研究補助者)
・宮田 義矢:東京医科歯科大学非常勤講師(2010年度は研究補助者)

活動年度:2010年度~2011年度

2010年度:『現在華北秘密宗教』を輪読し、翻訳出版に向けて訳稿作成に注力した。また、3回の研究会並びに翻訳検討会、10月には集中合宿を実施し、「一貫道」の諸儀礼に関する部分の訳注を作成した。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2010年度版に掲載されています。)

2011年度:4回にわたって研究会並びに翻訳検討会を開催した。2011年10月8日の研究会には、篠崎守利氏をお招きし、近代中国における慈善活動のあり方等に関し多くの有益な知見を得た。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2011年度版に掲載されています。)

4. 今後の活動予定

人文科学研究所での、本プロジェクトは終了いたしました。ご協力くださった皆様にあつく御礼申し上げます。

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