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共同研究プロジェクト

野村 正人 教授プロジェクト

『フランス文学と写真』

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1. 目的・内容・期待される効果など

 「フランス文学と写真」と題して、19世紀前半に写真が誕生してから、文学と写真が切り結ぶ競合関係や相互補完関係を、19世紀と20世紀に時代をわけてそれぞれの固有の問題をとおして解明することを目的とする。文学と写真というテーマは非常に大きく、問題も多岐にわたるうえに、すでにこのテーマを扱った研究も数多く存在する。したがって全体を総合する視点ではなく、19世紀、20世紀の各々に固有なテーマを掲げて、個別的な研究をめざす。19世紀に関しては、主に 1) 写実主義文学と写真の関係、 2) 写真と諷刺の問題、 3) ナダールにおける文学と写真、 4) 写真以前の視覚装置と文学の4点を考える。また20世紀に関しては、 1) 文学と写真の20世紀的関係を考えるうえで重要なポール・ヴァレリーの写真観を探ると同時に、 2) 写真を作品内に取り入れた文学をとりあげて、写真が例証機能以外のどのような使われ方をするかを解明する。19世紀に関しては、リアリズム文学と写真の関係の調査研究に重点を置き、文学のなかにおける写真の位置を明らかにしたい。また20世紀に関しては、具体的な作家と作品における写真の機能を分析しながら、20世紀文学における写真の位置を明らかにしたい。

2. 研究スタッフ

【研究代表者】
・野村 正人 :学習院大学文学部教授(フランス語圏文化学科)
【所員】
・中条 省平 :学習院大学文学部教授(フランス語圏文化学科)
・田上 竜也 :学習院大学文学部教授(フランス語圏文化学科)
・鈴木 雅生 :学習院大学文学部教授(フランス語圏文化学科)
【客員所員】
・中山慎太郎 :学習院大学文学部非常勤講師(フランス語圏文化学科)
・岡部 杏子 :早稲田大学人間科学研究センター招聘研究員
・市川 裕史 :津田塾大学准教授
・和南城愛理 :町田市立国際版画美術館学芸員
・進藤 久乃 :松山大学准教授
・小谷 民菜 :静岡県立大学国際関係学部准教授
・森田 直子 :東北大学大学院情報科学研究科准教授
・土橋友梨子 :学習院大学文学部助教(フランス語圏文化学科) ※2017年度より
・前山  悠 :学習院大学文学部非常勤講師
・渋谷 与文 :学習院大学文学部非常勤講師
・一丸 禎子 :学習院大学外国語教育研究センター講師 ※2017年度のみ
【研究補助者】
・土橋友梨子:学習院大学大学院 人文科学研究科 フランス文学専攻 博士後期課程 ※2016年度のみ

活動年度:2016年度~2018年度

2016年度: 19世紀前半に発明されてまもない写真にたいする同時代の諷刺を中心とし、それに付随するさまざまな文献を読み解くことを目的とした研究会を計5回行った(2016年4月16日、7月2日、9月24日、12月17日、2017年2月18日)。また、東京芸術大学美術学部先端芸術表現科教授の伊藤俊治氏を招聘して、写真に関する講演会を行った(12月1日)。(以上の活動の詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2016年度版に掲載されています)

2017年度:前年度同様の目的のもと、研究会を計6回行った(2017年4月8日、6月17日、8月6日、10月7日、12月23日、2018年2月18日)。(以上の活動の詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2017年度版に掲載されています)

2018年度:研究会を計6回行った(2018年4月14日、6月16日、10月6日、10月7日、12月24日、2019年2月23日)。この研究会をとおして、写真という新しいメディアがどのように社会に受け止められていたのか、既存の視覚メディア(絵画、版画)やリアリズムに基盤を置く文学とどのような関係にあったのかが多少なりとも明らかになった。また写真が芸術として認知されるまでに、写真の持つ機能がどのように評価され、どのような論議と賛否を巻き起こしたのかも明らかとなった。(以上の活動の詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2018年度版に掲載されています)

4. 今後の活動予定

人文科学研究所での、本プロジェクトは終了いたしました。ご協力くださった皆様にあつく御礼申し上げます。

5. 研究成果

2016・2017年度の研究成果を論文集にまとめて、Héliogramme 2017を刊行した。
2018年度の研究成果を論文集にまとめて、Héliogramme 2018を刊行した。

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