共同研究プロジェクト
鐘江 宏之 教授プロジェクト
『近世木簡の類型とその体系についての研究』
一覧へ戻る1. 目的・内容・期待される効果など
日本近世木簡は、近年、多くの出土事例が報告されており、資料点数も増加している。しかし、その釈読や内容理解はあまり進まないままの事例が多い。その背景には、近世木簡がどのような用途に使われ、またどのような形態やどのような文言を記して利用されているのか、近世木簡の全体像がつかめていないために、断片的な資料では理解が進まないという事情があると考えられる。
本共同研究においては、近世木簡の本格的な資料利用を可能としていくために、近世木簡の類型を見定め、さらにそれらの類型が形態や記載文言などの点でどのように体系づけられるのかを解明することを目指す。そのため、当年度の共同研究においては、資料点数も多くバリエーションも豊富な港区汐留遺跡の出土事例において、どのような類型化が可能かを検討することにしたい。まず荷札類から取り組むことによって、古代の荷札木簡を対象として蓄積されてきた研究を参照しながら、近世の荷札について認識を深め、そこから探ることのできる諸問題にアプローチできると期待される。
2. 研究スタッフ
- 【研究代表者】(2019・2021年度)
- ・鐘江 宏之 :学習院大学文学部史学科教授
- 【研究代表者】(2020年度)
- ・佐藤 雄介 :学習院大学文学部史学科准教授
- 【所員】
- ・千葉 功 :学習院大学文学部史学科教授
- (2019・2021年度)
- ・佐藤 雄介 :学習院大学文学部史学科准教授
- (2020年度)
- ・鐘江 宏之 :学習院大学文学部史学科教授
- 【客員所員】
- ・岩淵 令治 :学習院女子大学国際文化交流学部教授
- ・佐藤 信 :東京大学名誉教授
- ・石神 裕之 :京都芸術大学芸術学部教授
- ・堀田 幸義 :宮城教育大学教育学部教授
- (2021年度)
- ・阿部 綾子 :福島県立博物館学芸員
- ・林 大樹 :学習院大学文学部史学科助教(無給研究職)
- 【リサーチ・アシスタント】
- (2019年度)
- ・林 大樹 :学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士後期課程3年
- 【研究補助者】
- (2020、21年度)
- ・川島 優 :学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士前期課程2年
- (2021年度)
- ・上原 優佳 :学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士前期課程1年
- (2020年度)
- ・池田 純 :学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士前期課程2年
- (2019、2020年度)
- ・那須 香織 :学習院大学大学院人文科学研究科博士前期課程修了(平成28年)
3. 活動報告 [活動年度:2019年度~2021年度]
2019年度:研究会3回を行い、史料・資料調査を4回行った。学会参加1を行い、情報の収集および資料を実見した。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2019年度版に掲載されています)
2020年度:オンライン研究会2回を行った。さらに1回を予定している。学会参加1を行い、情報収集と意見交換をした。プロジェクトメンバーによる学会講演1および報告1を予定している(2021年2月)。江戸の木簡のデータベース構築のためのデータ入力は昨年度から継続して作業を進めており、次年度も同様に進める予定である。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2020年度版に掲載されています)
2021年度:オンライン研究会5回を行った。さらに1回を予定している。学会参加1を行い、情報収集と意見交換をした。江戸の木簡のデータベース構築のための入力データがある程度まとまった量になってきているので、今後、データベースの公開の方法について検討していきたい。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2021年度版に掲載されています)
4. 今後の活動予定
人文科学研究所での、本プロジェクトは終了いたしました。ご協力くださった皆様にあつく御礼申し上げます。