EN

共同研究プロジェクト

斉藤 利彦 教授プロジェクト

「戦時下における戦歿兵士遺児(「誉れの子」)への処遇と軍人援護体制に関する総合研究」

一覧へ戻る

1. 目的・内容・期待される効果など

 当年度の本研究の第一の目的は、アジア・太平洋戦争下における戦歿兵士の遺児という存在が何を意味し、国家は遺児たちをどう処遇し、そして何を求めたのかを歴史的かつ構造的に明らかにしていくことである。

 遺児たちは「誉れの子」とも呼ばれ、戦死した父の名を辱めないように、他の子どもたちの模範であれとされた。また毎年、九段の靖国神社に参拝する大規模な国家行事「社頭の対面」に動員されていた。戦時下の日本にあって、例えば第四回「社頭の対面」(1942年)だけでも、台湾、朝鮮、満洲、関東州、樺太も含め、北海道、九州、沖縄の各地から5000人を超える「誉れの子」たちが続々と靖国神社に参集した。軍人援護会の機関誌『軍人援護』(第4巻4号1942年)によれば、第四回「遺児参拝事業」までの参拝遺児は、「総計一万三千余名」であり、それに第五回の参拝遺児4859名を合わせて、総計約18000名の「誉れの子」たちが「社頭の対面」に参加したことになる。

 第二の目的は、遺児たちへの処遇の背景としてあった、当時の国家総力戦と国民統合の状況、そして軍人援護政策の全体の動向を解明することである。それらの政策は、国家総力戦体制下における国家・子ども・家族・教育・社会の全体構造の再構築へ向けての重要な課題として存在していたことを究明する。

2. 研究スタッフ

【研究代表者】
・斉藤 利彦 :学習院大学文学部教授(教育学科)
【所員】
・佐藤 陽治 :学習院大学文学部教授(教育学科)
・梅野 正信 :学習院大学文学部教授(教育学科)
【客員所員】
・森川 輝紀 :埼玉大学名誉教授
・堀江 久樹 :教育学科助教
【研究補助者】
・山口 一典 :学習院大学大学院 教育学専攻博士後期課程4年
・栗原  崚 :学習院大学大学院 教育学専攻博士後期課程3年
・腰塚 慶弘 :学習院大学大学院 教育学専攻博士後期課程1年

3. 活動報告 [活動年度:2019年度~2021年度]

次年度以降に掲載いたします。

4. 今後の活動予定

人文科学研究所での、本プロジェクトは終了いたしました。ご協力くださった皆様にあつく御礼申し上げます。

一覧へ戻る
pagetop