共同研究プロジェクト
伊藤 白 准教授プロジェクト
「文芸公共圏を形成する社会システムとしての図書館 レッシング受容を事例に」
一覧へ戻る1. 目的・内容・期待される効果など
本研究は、他者への寛容を説いたドイツ啓蒙時代の文学者ゴットホルト・エフライム・レッシング(1729-1781)を事例に、その作品の図書館での扱われ方を評価することで、知識階層のみならず一般民衆における受容のあり方を明らかにすることを目指す。
知識人や裕福な市民層が利用した学術図書館のみならず労働者階級を含む低所得者層が利用した民衆図書館、およびその統一を目指した統一図書館(現在の公共図書館に引き継がれている)の18~20世紀前半の蔵書目録および利用状況、またそれに影響を与えた図書館実務者の議論を調査し、文芸作品の生み出す公共圏の範囲をあぶりだす。その際、ユダヤ人への寛容を説いた作品によりドイツのナショナリズム形成において常に議論の対象となってきたのみならず、自らヴォルフェンビュッテルのアウグスト公爵図書館長を務め、それゆえ図書館実務者に身近な存在として意識されてきたレッシングの作品を試金石に据える。
当年度にはまずアウグスト公爵図書館・ベルリン民衆図書館についての調査を行う。
2. 研究スタッフ
- 【研究代表者】
- ・伊藤 白 :学習院大学文学部ドイツ語圏文化学科准教授
- 【所員】
- ・酒井 潔 :学習院大学文学部哲学科教授
- ・高田 博行 :学習院大学文学部ドイツ語圏文化学科教授
- 【客員所員】
- ・川島 隆 :京都大学大学院文学研究科准教授
- ・渡會 知子 :横浜市立大学国際教養学部(教養学系)准教授
- 【リサーチ・アシスタント】
- ・大倉 子南 :学習院大学大学院人文科学研究科ドイツ語ドイツ文学専攻博士後期課程1年
- 【研究補助者】
- ・伊藤 有亮 :学習院大学大学院人文科学研究科ドイツ語ドイツ文学専攻博士前期課程1年
3. 活動報告 [活動年度:2020年度~2020年度]
2020年度:プロジェクト会合3回を行った。さらに2回を予定している。海外調査を予定していたが新型コロナウィルス感染拡大のため断念し、現地の機関や研究協力者への依頼により調査を行った。(詳細は『学習院大学人文科学研究所所報』2020年度版に掲載されています)
4. 今後の活動予定
人文科学研究所での、本プロジェクトは終了いたしました。ご協力くださった皆様にあつく御礼申し上げます。