学習院大学 法学部 | 法学科|政治学科

羽ばたく留学経験者インタビューExperiences of Studying Abroad

中国
中国 北京大学

将来は、中国という国の実像を多角的に発信していきたいです。

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将来は、中国という国の実像を多角的に発信していきたいです。

 小学校の6年間を中国で過ごしたので、日常会話なら言葉に不自由しませんでしたが、学問で高度な議論をするにはまだまだ足りないレベル。語学力をさらに磨きたいという思いで留学を決めました。
 私が留学した北京大学は、中国でもトップクラスの大学です。広い中国の中から集まった優秀な学生と切磋琢磨できたことは、大きな刺激となりました。
 私は政治学科で学んでいることもあり、中国政治に関する授業も受講しました。「毛沢東思想」や「習近平思想」といったプロパガンダ色の強い講義をあえて履修することで、中国という国家の成り立ち、目標や政策の立て方を知り、日本とは異なる政治の仕組みを理解できたのは大きな収穫です。こうした講義を通して中国語の学術的な語彙を飛躍的に伸ばすことができました。
 課外活動に参加して中国人学生との交流を広げられたのも貴重な経験です。印象に残っているのは、学校内の野良猫に餌やりをするサークル活動。みんなでお喋りしながらキャンパスを巡り、猫たちの世話をしたのはいい思い出です。
 中国での生活で驚いたのは、電子決済の技術が日本よりさらに発達、普及していること。スマホを使わず、お店のカメラで顔をスキャンするだけで支払いが完了するんです。個人情報が管理されている中国ならではのシステムですね。ただ、留学中はコロナ禍真っ只中だったので、ロックダウンが起きると行動範囲がキャンパスと学生寮だけになってしまうことも。そんな時でも学食で中国の様々な地方の料理を味わって食文化の違いを楽しんだり、友達とテニスで汗を流したりして息抜きできました。あまり外出はできませんでしたが、逆に学業に集中できる環境だったと言えるかもしれません。
 中国と聞くとネガティブなイメージを持つ人も多いかもしれませんが、暮らしてみると多くの魅力があることに気づきました。将来は報道関係の仕事につき、中国という国を多角的に発信していきたいと思っています。

memories in China
memories in China
大学の友達と、北京冬季オリンピックの開催地巡り。勉強だけでなく、中国人学生との交流を広げられたのも、留学の貴重な財産です。

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イタリア
イタリア ボローニャ大学

予期せぬトラブルを乗り越えて身についた胆力は大きな財産に。

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予期せぬトラブルを乗り越えて身についた胆力は大きな財産に。

 イタリアのボローニャ大学は中世に創立された法学の名門校です。法学を学ぶ学生が世界中から集まる場所に、自分も身を置いてみたいという気持ちから留学先として選びました。
 ボローニャ大学では筆記試験同様に口頭試験が重視されます。教授と面接形式、しかも英語で行われるのですが、元々スピーキングが弱く最初は苦労の連続。でも試験をクリアするたびに、手応えと共に自信がつき、喋ることへの苦手意識は克服できたと思います。実生活でも英語は命綱。とくにコロナ禍での留学だったので、日本語が使えない環境でワクチン接種や証明書取得の手続きなどを行わなければならず大変な思いをしました。ですが、おかげで語学力のみならず、どんな状況でも自分で対処する胆力がついたと感じています。
 学校では欧州、アジア、南米とグローバルな学生に囲まれて過ごしました。一度社会に出て大学に戻ってきた人も少なくなく、年齢も皆バラバラ。お互いの多様な人生を尊重しあうことで、人間としての成長にもつながったと思います。
 ただ、困惑したのが友人から「元気ないみたいだけど大丈夫?」という指摘をよく受けたこと。ラテン文化圏では人々の感情表現が豊かですが、それと比べると日本人の私は表情が乏しく、彼らを心配させてしまったんです。これをきっかけに、笑う時には歯を見せるなど彼らの表現をお手本にするようになりましたが、思わぬカルチャーショックとして今でも思い出に残っています(笑)。
 その他にも現地では文化の違いを実感することが多くありました。こと時間に関してはルーズで電車が遅延することもしばしば。けれどイタリア人は、どこに行ってもフレンドリーでホスピタリティーが高く、多くの不都合を許せてしまう人間の温かさがあることもわかりました。
 将来、仕事に就いたら語学力はもちろん、イタリア生活で培った「どんな場所にも適応しトラブルに対処する」力を活かしていきたいですね。

memories in Italy
memories in Italy
年末に留学生同士で飲み歩きをした時の一枚。人種も年齢も違う仲間とは、互いに異なる人生の歩み方を尊重しあう関係になれました。

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韓国
韓国 慶北大学校

学業以外の変化が感じられるのも、海外留学の魅力だと思います。

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学業以外の変化が感じられるのも、海外留学の魅力だと思います。

 大学進学前から海外留学をしたいという強い気持ちがあり、留学制度が整っていた学習院大学への進学を決めました。留学前は入念なオリエンテーションがあり、留学後も学校から月に2回安否確認の連絡をいただけたので、安心して現地での生活を送れました。
 韓国を選んだのは韓国のサブカルチャーに興味があったこと、そして韓国語と英語の両方を学ぶ環境がそろっていたからです。慶北大学には欧米からの留学生も多く、英語で行われる講義ではネイティブスピーカーの学生と机を並べる機会が多くありました。しかも、講義はグループワークや発表など。学生が能動的に参加する形式がほとんどで、最初はネイティブの学生とのディスカッションについていけず、聞くだけで精一杯の状態でした。でもこのままでは何も得られずに留学が終わってしまうと自分自身を叱咤して、積極的に発言したりコミュニケーションを取ったりするうちに、これまで受け身だった自分が確実に変わっていく手応えを感じました。
 また、留学中は日本語学や日本経済など「日本」に関する講義も意識的に履修しました。日本で勉強していると自国に対してはどうしても主観的な見方をしてしまいがちです。韓国での講義で、海外から客観的に日本を見た時の解釈や評価を学ぶことができたのは、留学したからこそできた学びでした。
 プライベートでは留学生の友達とよく遊びに出かけました。ソウルや釜山など大きな街に旅行もしましたが、構内の広場でピクニックをしたのも忘れられない思い出です。広場ではよくチキンなどスナックの出前をアプリで頼んでいました。屋外でもデリバリーを頼めるのは日本にあまりない文化で驚きましたね。
 現在は政治学科で学んでいますが、実は今、看護の世界に興味を持つようになりました。日本では在留外国人へのサポートがまだまだ不十分。体調を崩して不安な外国人の患者さんを、言語面でもサポートできるような仕事が必要なのではないかと思っています。

memories in South Korea
memories in South Korea
大学祭にて。韓国で一番人気のSNSはインスタでしたが、電子マネーをはじめとした、スマホのアプリも日本より広く使われている印象です。

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アメリカ
アメリカ
ノースカロライナ州立大学
シャーロット校

米大統領選を間近に見て、政治や外交に携わりたいと考えるようになりました。

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米大統領選を間近に見て、政治や外交に携わりたいと考えるようになりました。

 私は今、法学科で、法律を中心に政治学や国際法を学んでいます。高校一年の時に、ニュージーランドに一ヶ月間留学しました。その時、一年間の長期留学をすればより多くのことが学べると考え、大学入学と同時に留学準備を始めました。
 留学中は、専門分野である法律や、政治学を中心とした授業を受け、放課後は深夜まで課題や試験勉強に追われる毎日でした。また週末は、寮のルームメイトや世界中から集まった留学生、現地の正規生の友人たちと、食事やパーティーをしたり、テニスやハイキングを楽しんだりと、オンもオフも充実した毎日を過ごせたと思います。
 留学の時期が、ちょうど2016 年のアメリカ大統領選挙と重なり、幸運にもヒラリー・クリントン、トランプ両大統領候補(当時)の演説を聞きに行くことができました。この歴史的な大統領選を通じて、アメリカの抱える人種差別の問題の深刻さを肌で感じました。また、履修していたHuman rights(人権)の授業では、難民や、LGBT、宗教といった理由で差別を受けているさまざまな社会的弱者がいることを知り、日本で、色々な差別とは無縁に生きてきた自分が、差別に対し無関心で子供だったことに気付かされました。このような学びもあり、帰国後は人権団体や被災地のボランティア活動に参加するなど、「知っていたけど他人事」を改めて、積極的なアクションを起こすようになりました。
 ミッシェル・オバマ女史のキャンペーンスピーチや、ヒラリー・クリントン大統領候補の力強い演説は、特に印象深く心に残っています。その影響もあって、私も政治や外交に携わりたいと漠然と考えています。

*ノースカロライナ州立大学シャーロット校は、現在は協定留学先ではなくなりました。

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イギリス
イギリス エディンバラ大学

“ 伝えたいことを伝わるように伝える”ことの重要性を学びました。

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“ 伝えたいことを伝わるように伝える”ことの重要性を学びました。

 もともと英語が好きで、高校時代、イギリスでの短期サマースクールに2 度参加しました。この時に、もっと長い期間で新しい世界を知りたいと思ったことが留学のきっかけです。
 スコットランドでの生活は、世界遺産である歴史的な街並みや文化、通貨に至るまですべてが新しい発見に溢れていました。スコットランド訛りの英語を聞き取るのに最後まで苦戦したのも、今ではいい思い出です。
 勉強では主にエッセイに苦しめられ、ディスカッションで他の人に圧倒されたことも印象に残っています。また、留学生向けのバグパイプの授業は、スコットランド留学の醍醐味かなと思っています。
 私生活の面では、空き時間で日本語を教える活動に参加していたおかげで友達も増えました。週末の夜は友人と語り明かしたり、長期休みにはヨーロッパ旅行をしたり…学生のうちにしか出来ない貴重な体験であり、大切な思い出になりました。
 留学では“ 伝える力” の重要性を学びました。授業の場や、日々の友人たちとのコミュニケーションにおいて、自分の持っている語彙と、身振り手振りや表情で“ 伝えたいことを伝わるように伝える”ことは欠かせないものでしたので、コミュニケーション能力は培うことができたかなと思っています。
 また、留学生活を通して、肝が据わったとでも言いましょうか、何事にも動じず“ なんとかなる!”という信念を持って行動できるようになったと思います。
 将来も常に何らかの形で海外とつながりを持っていたいと思っています。それが仕事であっても、まったく違う形や楽しみ方であっても、この一年で得たことはどこかで必ず活きると思います。実は趣味で中国語と韓国語も学んでいるので、目指せマルチリンガル!もっと国際性の高い人になることが目標です。

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