算数科

算数科の目標

  1. 1自分の考えを表現し、友だちの考えを理解しようとする子どもの育成
  2. 2最後まであきらめずに粘り強く考える子どもの育成

取り組み

  • ⼦どもたちは、クラス全体で算数を楽しみながら学びを深めていきます。
    • 既習の知識を⽤いながら様々な⾓度から課題に取り組み、論理的に仕組みを明らかにすることで、算数の世界を広げていきます。
    • 対話を通して、お互い意⾒を出し合いながら、⼦どもたちは、⾃分では考えつかなかった⾒⽅、考え⽅に気づきます。⾃分の考えを認めてもらうこと、友だちの考えを理解することは、⼦どもたちにとっての喜びです。
    • ⾃ら考えたり、話し合ったりする中で⾝に付けた⼒をもとにして、⼦どもたちは次の新しい課題を⾃ら⾒つけ、粘り強く取り組み、⾃らの⼒で解決していくことができるようになります。
  • 「基礎的・基本的な内容の理解と充実」をはかり、「数学的な考え⽅・問題解決⼒の育成」をします。
    • ⾼い⼭ほど、その裾野は広く広がっています。算数は、学習した内容を⽤いて積み上げていく教科です。⼟台となる基礎的・基本的な内容を、じっくり、しっかりと⾝につけさせます。
    • 仕組みやきまりを⾒つけて問題を解く数学的な考え⽅や、問題解決⼒も算数の⼤切な基礎・基本であると考えます。
    • ⼦どもたちに何を考えさせ、何を教え、何を習熟させるのかを常に意識しながら授業を組み⽴てています。

授業の様⼦

「分数と倍」(2年⽣)

3本のテープを⾒せてその関係性を⼦どもたちが考えていきます。テープには⻑さが書いてありません。⻑さで⽐較するのではなく、あるテープの⻑さを「1」としてみた時にもう⽚⽅の⻑さはどのように⾒えるかを考えるためです。3本の異なった⻑さのテープを⾒せると、⼦どもたちは、⻑さが分からなくても、⾃然と3本の⽐較をしようとしました。

「Aから⾒るとBは2倍かな。」
「CはAの4倍…もっと⼤きそうです。」
などと予想を⽴てました。かけ算で学習した「倍」の考え⽅が⽣かされています。ここでは、いちばん短いAを基準として、BやCの⻑さを予想することができました。

その後、テープを重ねることで、Aを基準にしたときにBは2倍、Cは6倍ということが分かりました。ここで「Bから⾒たらAは半分だよ。」と発⾔する⼦どもがいました。新たな⾒⽅が表れた場⾯です。

「AはBの半分なら1/2になるよ。」
「AからBが2倍で、BからAが1/2ということになります。」
と活発な話し合いが始まりました。すると、同様にAとCの関係を考える⼦どもたちが増えてきました。
「AからCが6倍で、CからAが1/6になるよ。」
「BとCも考えてみようよ。」
「BからCは3倍だから、CからBはきっと1/3になるはずだよ。」
黒板のテープを使って⾃分たちの予想があっているかどうか確かめていきました。

すると、ある⼦どもが⼿を挙げました。
「2つのテープを⾒ると、どれも⽚⽅から⾒てもう⽚⽅は○倍、反対に⾒ると1/○になります。」
2つのテープの⻑さの関係性に気付いた場⾯です。分数の考え⽅と倍の考え⽅を結び付けて考えることができました。このように、問題解決を通して、新たな課題が⾒つかり、関⼼を持って取り組むことで、「数学的な⾒⽅・考え⽅」が⾼まっていきます。

「⽴⽅体の展開図」(4年⽣)

⽴⽅体の展開図にはどのようなものがあるかを考えます。まず、正⽅形の厚紙6枚をセロハンテープで貼り付けて⽴⽅体を作り、何か所かのテープをはがしていきます。グループで相談しながら、どんな展開図になりそうかを考えます。

できた展開図を画⽤紙にうつして、クラス全体で黒板に並べていくと、さまざまなことに気が付きます。「○○さんの展開図 は、○○君の展開図と同じだ。」「この2つは、裏返しになっている。」5年⽣の合同の学習につながるように、回転したり、裏返したりして重なっても同じ形であることを教師から教えると、同じ展開図が整理できました。ちがう展開図も、似た特徴のものをまとめて、整理することができました。左に1個、真ん中に4個、右に1個のパターンを「1、4、1」とすると、「2、2、2」という展開図もありました。組み⽴ててみると、⽴⽅体になりました。「組み⽴てなくても、3枚でL字ができて、それが2つ組み合わされて⽴⽅体になる。」という意⾒もでました。また、「2、3、1」や「3、3」という展開図もできて、11通りすべての展開図を全員の⼒で⾒つけることができました。
このような授業を通して、「主体的・対話的で深い学び」の実現を⽬指しています。

「倍数と約数」(5年⽣)

5年生の倍数と約数の授業です。倍数や公倍数の求め方についてひと通り学習が終わったところで、パソコンを使って簡単なプログラムを作り、倍数や公倍数を見つける授業をしました。

整数の特徴を調べるとき、私たち人間は、3の倍数と5の倍数をそれぞれ見つけ、2つに共通する数が公倍数と考えます。しかし、今回作ったプログラムでは、数を1から順に3と5の公倍数(3の倍数でもあり5の倍数でもある数)かどうかを考え、そうでなければ、3の倍数かな? そうでなければ、5の倍数かな? と考えます。いずれでもなければ、その数は、3の倍数でも5の倍数でも3と5の公倍数でもない数であるとわかります。このようにコンピュータは、数を1から順にふるいにかけて調べます。こうした「人間の思考とコンピュータの思考の違い」に気づいた児童がいました。人間は、甘い条件から始めて徐々に条件を厳しくしていきますが、コンピュータでは、厳しい条件から条件をゆるめていっています。困っていた児童から、「順番を逆にしてみたらできた。」という声がありました。思うようにプログラムが動かなかったときに、どのように修正していくかを考えることも大事な学習です。こうした経験から、人間とコンピュータの思考の違いを知ることの重要性を体験し、コンピュータを正確に動かすためには、正しいプログラムを人間が順序立てて考え作らなくてはいけないということを実感できました。また、倍数や公倍数への理解も深まりました。
経験を積んで理解を深めた子どもたちの中には、「もっと大きな数でやってみたい。」と発展的に考える子もいました。
問題を解決するには必要な手順があり、単純な繰り返しを必要とする作業があるときに、コンピュータを用いると、すばやく多くの数について調べることができることに気づきました。さらに、プログラミングの手順の特徴も知ることができました。
このように、ときにはコンピュータも使いながら、「論理的に考える力(プログラミング的思考)」を育んでいます。

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