学習院大学 法学部 | 法学科|政治学科

究める法学研究科Graduate School of Law

教えて! 大学院ってどんなところ?
教えて! 大学院ってどんなところ?

研究室へ潜入取材

教えて! 大学院って
どんなところ?

 私は中国の内モンゴル出身で、武漢の大学を卒業しましたが、師事していた教授が日本に留学経験があったこともあり、留学先に日本を選びました。現在の中国の民法は日本とドイツとフランスの民法を参考にしているので、日本の民法について勉強したかったのも理由のひとつです。大学院入学前の2019年から学習院の研究生になり、2020年に法学研究科に入学しました。

山下 今は大学院生が少ないので、授業は張さんの研究テーマに近い論文を読んでまとめてもらい、私がいろいろと質問することで議論を深める形を取っています。以前には、ドイツ語の論文を日本語に訳したうえで毎週議論をしていた時期もありましたので、張さんは大変だったと思います。

 ドイツ語の法律用語なら少しは慣れていたつもりですが、やはり難しかったですね……。私の研究テーマは家族法です。修士課程では、親は子の持っている財産を使用する権利があるかどうかについて研究していました。博士課程に進み、今は家族内構成員の間の利益調整に興味を持っています。最近ではフランスにおける夫婦財産契約についての本を読んでいましたが、家族法は国によって法律も制度も違うので、非常に興味深いです。

山下 学部では法律の知識や、社会で生きていくうえで役立つ法律を使った実用的な技術などは学べますが、「今の法律はなぜこうなっているのか」「この法律自体が制度として適当なのか」などというところまでは学べません。最終的には法改正などにも繋がることですが、法学研究科では法律の背後にある考え方やそもそも時代に合っているのかなど、より深く法律を研究できます。

 大学院は授業も必修単位も学部より少ないのですが、自分の研究にかける時間が膨大です。その分、教授との関わりも密接で、山下先生にはマンツーマンで丁寧に指導していただいています。今はほぼ毎日21時過ぎまで研究室にこもる生活ですが、週2回ほどは行政書士事務所でアルバイトをすることも。学内外の奨学金制度を利用して生活費や学費を賄っています。

山下 大学院では、あるひとつの問題意識に対して、さまざまな方面から検討することが大切になると思います。張さんのように、自ら興味のある文献や論文を見つけ、それを読み込んで議論するという姿勢を身につければ、自分ならではの視点でテーマを深く掘り下げることができるはずです。