私は経済産業省に在籍し5年目（2021年現在）となります。政治学科・政治学研究科で培った全ての知識と経験が日々の仕事に繋がっており、今でも国際政治や地域研究の授業のノートを見返すことがあります。卒業後も「政治」の近くに従事する、私の仕事を少し紹介します。

　1年目～3年目は、国連気候変動枠組条約締約国会議（COP）などの大規模な国際会議の開催に向けた各国・関係省庁との調整を担当しました。G20の現場で各国大臣の会談を拝見したときは、新聞やテレビ画面からは決して得ることができない生の交渉を体で感じ、国際会議の開催に携わる大きなやりがいを覚えるとともに、肌が震える感覚がありました。

　4年目～5年目は、貿易救済措置というWTOで認められている不当な安値輸入に課税を行う措置の普及と活用促進のためのアウトリーチ活動を担当しております。厳しい状況に直面されている企業の皆様が貿易救済措置をより活用しやすく、少しでも公平な国際競争環境の中で事業活動を展開できるような環境を整備することが、私たちの使命であると考えています。

　最近は、大学で学ばせて頂いた英語・フランス語に続き、アラビア語、スペイン語を学び始めました。仕事に活かすためでもありますが、6年間学習院で過ごす中で、大学の名の通り、いつまでも「学習」を続けたい気持ちが心に根付いたように感じます。先生方から授けて頂いた好奇心の芽がいつか大樹となり、緑豊かな目白のキャンパスに恩返しができる日を楽しみにしています。