学習院大学 法学部 | 法学科|政治学科

巣立つ卒業生からのメッセージMessages from Graduates

2007年3月 法学部政治学科卒業

明秀学園日立高等学校
教務部長
(2021年6月時点)

 新型コロナウイルスは、私たちが当たり前と思っていた様々な自由を奪い、また強烈な課題を突き付けました。今後の社会を担う子どもたちも子どもたちなりに、この社会とどのように向き合っていくか葛藤しています。私は現在日本の高校の一教室で、生徒とともにこの複雑で混沌とした正解のない世界を生き抜くため、共に学びあっています。

 私がこのように教壇に立てているのは、教職課程の先生方の親身なご指導があったのは勿論のこと、何といってもこの目白のワンキャンパスに複数の学部が一つに集っていることで、法学部で公民の教員免許取得を目指しつつ、文学部や経済学部、そして理学部の学生と互いに助け学びあいながら他教科免許も取得できたことがあるからです。結果として法学部の専門領域を多面的に見ることも可能になりました。学習院はひとつのキャンパスだからこそ、多様な学問をともに学びあえる場がそこにあり、他学にも優るつながりが自然と醸成されています。

 私は在学中、遠藤薫教授(現在は退職)のゼミナールに所属しており、社会学の専門的な文献をもとに何時間もかけて議論をし、論文を執筆する傍ら、目白の魅力を伝えるために映像コンテンツの撮影・編集をし、地元ケーブルテレビ局と協働して定期的に放映する活動も行いました。現在では個人でもデジタルコンテンツを配信することは当然の様に行われていますが、当時とすれば珍しい取り組みであったでしょう。夜遅くまでゼミ生の仲間達と作り上げていった経験はかけがえのないものです。

 法学部で学んだことはどのような形であれ現在の仕事に生かされ、いまだに私のデスクにはあの頃使っていたテキストが並んでいます。それを見返すたびに、改めて、教える立場だからこそ、経験し続けること、学び続けることの大切さを痛感しています。