学習院大学 法学部 | 法学科|政治学科

学ぶ在学生からのメッセージMessages from Students

♥ 印象に残っている講義
刑法演習:優秀なゼミ生らと切磋琢磨し、多角的な視点、柔軟な思考が身につきました。
♥ お気に入りスポット
百周年記念会館:学習院中・高等科時代オーケストラに所属し、何度も演奏をした思い出の場所。

判例を学ぶ中で気づいたのは多様なプロセスの重要性

 昔から考えることが好きで、高校の先生に「法哲学」が向いているんじゃないかとアドバイスされたのが決定打となり、法学科への進学を決めました。
 私は鎮目征樹教授のゼミで刑法を学んでいます。すでに判決が出ている判例をテーマに討論や研究をするのですが、最初の頃は「どうして正解がわかっている判例についてわざわざ議論するんだろう」と疑問に思うこともありました。しかし討論を重ねていくうちにわかったのは、判決を出す判事の立場や価値観によって正解は変わってくるということ。人がある考え方に至るまでには、育ってきた環境や人生における一つひとつの選択、そこにいたるまでのプロセスといった、膨大な背景があるのだと気づきました。
 大学の授業以外では、SNSアプリのLINEを通して、10〜20代女性の悩みに答える相談員のボランティアをしています。なぜそこまで思い詰めてしまうのか、主観的な視点では理解できないこともありますが、それぞれ置かれている立場や状況が自分とは異なることを考えれば、物事の見方が変わってくるのは当然。ですから相談に応じる時には、相手の考え方や価値観を理解し、共感しようと努力しています。その意味ではゼミは法学的な学びだけでなく、誰かに寄り添うための視点も育ててくれたと思っています。
 卒業後は生まれ故郷の青森県でNHKのアナウンサーをメインに、地域に根ざした報道に携わります。NHKは災害対策基本法で指定公共機関に定められた唯一の報道機関。とくに予期される日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に備え、報道を通して防災・減災に貢献できればと思っています。行政との連携では身につけた法律の知識を、地域の人の悩みに耳を傾ける時には、ゼミで培った多角的な視点を役立てていきたいですね。