高校時代にボランティア活動をしていたことから、「地域の役に立つ人間になりたい」との思いがありました。ですが当時は、漠然と公務員になろうというイメージしか浮かばず、まずは大学で勉強しようと政治学科に進学しました。
　学習院大学の政治学科には、政治学、国際関係論、社会学の３つの専門領域に関するカリキュラムが用意されており、これは大きな魅力のひとつだと思います。私のようにやりたい仕事が漠然としか見えていない学生にとっては、幅広く学ぶことで将来像を明確にしていけるのでは、と期待がもてました。
　私は政治学科の特別選抜プログラム「FTコース」に参加しましたが、その中で受講した「FTチュートリアル」は大学４年間でとくに大きな影響を受けた科目です。講義では人権問題をテーマに学習し、講師としてNGO職員やジャーナリストなど最前線で働く方々が登壇されました。そのおかげで自分ごととして考えにくい人権問題を、実態を伴った問題として捉えられるようになると同時に、私も講師の方々のように現場で人々の中にあって行動し、現状を改善していく仕事をしたいという意識が生まれました。
　３年生からは国際開発協力論を専門とする元田結花教授のゼミに入り、在留資格を持たない外国人の人権問題について論文を書きました。こうした経験を通して海外や外国人の問題に目が向き、私が当初考えていた「地域の役に立つ」ことの定義は、日本国内にとどまらず海外まで広がりました。
　卒業後は、商業ディベロッパーであるイオンモールへの就職が決まっています。ASEAN地域にも進出する企業なので、地域の人と交わりながら人々の賑わいの場作りに携わっていきたいと思っています。