
♥ 上中さんのある1日
- 6:30
- 起床
- 7:00
- 家を出る
- 8:00
- バスと電車を乗り継ぎ出社。午前中はリージョンの予算資料の作成
- 12:30
- 同僚と外でランチ
- 14:00
- 税務調査に関する社内ミーティング
- 16:00
- 移転価格に関する社外ミーティング
- 18:30
- 退社
- 20:00
- 外で夕食を済ませて帰宅
- 23:00
- 就寝

- memories ♪学生時代
- リサーチアシスタントとして教授のお手伝いをしたことも。「学習院は教授との距離が近く、講義の後に進路の相談にものっていただきました」
FTコースでのハードな学びが海外での仕事に活かされています。
夢だった海外での仕事
卒業後、日本で就職したものの、「人生で一度は海外で働きたい」という夢を叶えるため、転職活動の末、シンガポールに拠点を置く現在の会社に入社しました。
私が勤務する会社は国際的な物流企業で、東南アジア、南アジア、オセアニア地域の15カ国にまたがる、27 社のグループ会社を統括する司令塔としての機能を果たしています。社内はシンガポール人、マレーシア人、インド人、欧米人など、さまざまな国籍のスタッフが働くインターナショナルな環境。その中で私は、グループ会社のサポート役として税務調査への対応、業務改善などを担当し、移転価格関連のプロジェクトマネジメントをしています。
15カ国あれば、それぞれの国の事情や法律も異なり、各国のスタッフが抱える問題もさまざま。彼らの悩みに寄り添いつつ、チームワークで難しい課題をクリアできた時には大きな達成感を感じます。日本と比べて女性の管理職クラスが多かったり、ムスリムの男性は金曜の午後に長めの礼拝が必要だったりと、同じアジア人でもそれぞれの国や民族によって違いがありますから、そうした背景を考慮しながら一緒に働くのも、国際的な企業に身を置く醍醐味だと思います。

FTコースで身につけた語学力
社内で使う言語は基本的にすべて英語。ビジネスで不自由しないレベルまで語学力を高められたのは、政治学科で鍛えてもらったおかげだと思っています。たとえば「外国書購読」では、「フィナンシャル・タイムズ」といった経済の専門紙を読んで議論しましたが、ここでは短時間で英語の長文を読み、概要を掴む技術が身につきました。また、私が参加していたFTコースではアカデミックな英語力を養う講義が充実しており、スピーキング、ライティング、プレゼンテーション力など総合的に鍛えることができました。FTコースは1学年15名ほどと少人数だったため、しっかりと予習復習しなければついていけない内容でしたが、その分濃密な時間を過ごせました。言われたことを鵜呑みにせず自ら調べて思考する習慣や、自分の意見をまとめて発言する力がついたのもこのコースのおかげだと思います。クラスの仲間との絆も固く、卒業から10年近く経った今でもよく集まる仲なんです。

学生時代のチャレンジを大切に
現在暮らしているシンガポールは、中国系、マレー系、インド系、欧米系など多様な民族が暮らす国。高層ビルが立ち並ぶ都会的なイメージを抱きがちですが、街中でも緑があふれ自然豊かな一面もあります。週末には海岸沿いでサイクリングを楽しむことも。外食文化が発達しており、現地の人は普段の食事も自炊より外食が圧倒的に多いです。私も夕食は外で済ませることがほとんどです。日本とは文化的に異なる面が多いですが、学生時代にバックパックを背負って色々な国を旅していたこともあり、シンガポールでの生活にはすぐに馴染めました。
仕事を通して現地の友人もできました。シンガポール人の友人たちと話していると、しばしば話題に上るのが政治の話。日本では「政治と宗教、野球の話はするな」とはよく言いますが、世界では必ずしもそうとは限りません。彼らからは日本の時事問題について意見を求められることも多く、そんな時は政治学科で培ったニュースの分析力、議論する力が役立っています。
学習院大学はワンキャンパスで学生数も少ないので、教授に質問や相談がしやすいですし、他学部の授業も気軽に聴講できます。その上、法経図書センターには法学や政治学に関する蔵書が充実しており、学びたい人にとってはとても贅沢な環境だと思います。学生時代は「モラトリアム」ともいいますが、そんな時だからこそ、“大学を利用し尽くす”くらいの気持ちでいいのではないでしょうか。少しでも興味のあること、面白そうだと思ったことには貪欲にチャレンジしてみてください。